年金が減った代わりに得た「お金に換えられないもの」
Aさんの年金は、65歳での受け取りで月18万円程度。60歳に受け取ることで24%減、13万6,000円強となります。
「大きな違いですよね。でも、いろいろ調べたら81歳くらいが損益分岐点らしいんですよ。その年齢を超えたら65歳でもらうよりも損をする。でも、81歳まで生きるなんて誰がわかりますか? これを知って迷いはなくなりました」
Aさんの妻は、しっかりと貯蓄に励んでいました。その額は60歳時で2,000万円弱。退職金1,800万円と合わせれば、やっていけると考えたといいます。
「妻の年金も繰上げると、受給額は18万円強。贅沢しなければ十分かなと。必死に働いて稼いできたことが繰上げを可能にしたと考えれば、自分のやってきたことも全部が間違いじゃなかったのかなと思っています」
それから8年。Aさんは一度も後悔していないといいます。
「妻と一緒に神社仏閣巡りをするのが楽しくて。時々娘の付き合ってくれて、3人で出かけることもありますよ。家事もするようになりました、最初は妻にやんやと注意されながらでしたが、今じゃ料理も片付けもかなりうまくなりましたよ。あと、やっぱり仕事も好きでね。今は介護施設の送迎のアルバイトを週2回してるんですが、すごくちょうどいい。いい選択ができたと思っています」
そう語るAさん。
Aさんの場合、しっかりと貯蓄ができていたこと、退職金を予定通りもらえたこと、現役時代の収入がしっかりとあった(=厚生年金額が多かった)ことなどで、繰上げによる減額があってもやっていけるという判断ができました。
一方で、そうした下支えがなく安易に繰上げをすると、後悔する可能性があります。繰上げは取り消しできず、一生にわたって減額された金額になることを考えておかなければなりません。
また、繰上げをしたことで障害基礎年金が受け取れなくなる、結婚をしている人の場合、寡婦年金の受給権がなくなるなどのデメリットもあります。
繰上げにも繰下げにも(65歳から普通に受け取ることも)、メリット・デメリットがあります。最終的に決めるのは自分自身ですから、後悔のない選択をしたいものです。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
