早くもらって本当によかった…60歳で会社を定年した元会社員、年金受給を5年繰上げて「月18万円」が「月13万6,000円」に大幅減額も「後悔していません」と笑顔のワケ

早くもらって本当によかった…60歳で会社を定年した元会社員、年金受給を5年繰上げて「月18万円」が「月13万6,000円」に大幅減額も「後悔していません」と笑顔のワケ

年金をいつから受け取るか。老後プランを考える上でも重要な選択です。多くの人は65歳から受け取りますが、希望に応じて最大60歳までの「繰上げ受給」や最大75歳までの「繰下げ受給」を選ぶこともできます。繰上げ受給の場合、年金の受け取りが早まる代わりに受給額が減額になります。長い老後を考えれば一見損のようにも感じますが、「繰上げしてよかった」という人はなぜそう思ったのか、見ていきましょう。

年金が減ってしまう「繰上げ」…なぜ選ぶ?

老後生活を支える柱である「公的年金」。通常は65歳から受給開始ですが、最大60歳まで前倒しする「繰下げ受給」、最大75歳まで後ろ倒しする「繰下げ受給」も選べることから、いつから受け取るべきか悩む人も少なくありません。

 

繰上げは最大5年である一方、繰下げが最大10年もある理由は、日本人の長寿化によるものです。長生きをすること(=生活費がかかり続けるリスク)を考えれば、遅くに受け取る選択肢のほうが優先されるのは、当然なのかもしれません。

 

年金の繰下げには「受給額の増額」という大きなメリットがあります。繰下げると、1ヵ月ごとに0.7%年金が増え、最大の10年繰り下げると84%の増額になります。

 

単純計算すると、65歳時に受け取る年金が月10万円だった場合、10年繰下げて75歳で受給開始にすれば月18万4,000円が受け取れるということです。

 

ここまでの増額が約束されていて、しかも、怪しい投資などではなく国の制度です。金額面だけでみれば大きな魅力であることは間違いありません。

 

しかし、致命的なのは「寿命」という不確定要素です。いつまで生きるか誰にもわからない以上、繰下げて本当に得できるかの保証はないということです。

 

「65歳から5年はあっという間だから、5年繰下げよう」……そうすれば、42%増額します。先ほどの例でいえば、月10万円が月14万2,000円に増額するということ。

 

しかし、もし65歳~69歳の待機期間中にもしものことがあって亡くなってしまえば、本人は年金を1円も受け取ることができません(配偶者がいれば、条件によって遺族年金の受給あり)。また、受取額が増えることで税金や社会保険料が増えるという側面も。

 

こうした理由から、繰下げを前向きに考える人は少数派です。年金受給予定者には「繰り下げ受給の方がお得」という内容のお知らせが届くなど、国は繰下げのメリットをアピールしていますが、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」(令和4年度)によれば、繰下げ受給を選択した人は、国民年金(基礎年金のみの人)では2.0%、厚生年金ではわずか1.3%です。

 

では、一方の繰上げ受給はどうでしょうか。こちらは、1ヵ月の繰上げごとに0.4%(1962年4月2日より前に生まれた人は0.5%)年金が減り、最大の5年繰上げると24%(同30%)年金が減額になります。つまり、65歳から月10万円受給予定の人が5年繰り上げると、月7万6,000円になってしまうということです。

 

せっかく現役時代から長く保険料を納めてきて受け取る年金です。「受給額が大きく減る」となれば、損をするイメージを持つ人も多いでしょう。ところが、実際には「減ったとしても、繰上げてよかった」という人も。Aさんの例を見ていきましょう。

 

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