生成AIの家庭学習で保護者ができること
生成AIを親子で上手に活用していくためにまず知っておきたいのは、「ChatGPT」やGoogleの「Gemini」といった主要な生成AIのサービスは、利用規約で「13歳以上」が対象となっている点です。したがって、小学生の子どもが一人で使用するのは原則として難しく、親子で一緒に使う、あるいは保護者が活用する形になります。
ライフイズテックの讃井さんは、生成AIを楽しむには「デジタル遊び」が有効だと話します。
「生成AIは、単なる勉強だけでなく、探究学習や創造的な活動にも活用できます。生成AIを使って絵を描いたり、デジタル漫画やアニメーションをつくったり、音楽を作曲したりといった活動が可能です。子どもが描いた絵をもとに、生成AIに画像を生成させてLINEスタンプをつくるなど、親子で楽しみながらデジタルに触れるきっかけになります」
また、学習に使う例としては、以下のような具体的な活用方法があるといいます。
◆わからない問題の解説
子どもが塾や問題集でわからなかった問題を、生成AIにわかりやすく解説してもらう。解説部分の写真を撮ってAIに読み込ませ、「小学生にもわかるように説明して」「読み上げて」と指示することで、わかりやすく教えてくれます。
◆類似問題の作成
特定の単元に興味を持った子どもや、克服したい弱点がある子どもに対して、類似問題を生成AIに作成してもらいます。問題集をもう一冊買うよりも手軽で、生成AIに「子どもにとって面白いストーリーを加えて」や「子どもの名前や好きなキャラクターを入れて」と指示すれば、個別化された、より子どもが興味を持つ問題をつくることも可能です。
◆学習スケジュールの管理
生成AIに子どもの学習状況を伝えて、復習のタイミングや取り組むべき学習内容を提案してもらうなど、学習スケジュールの作成や管理を相談してみるのもよいでしょう。
学ぶより使ってから理解する
讃井さんによると、「生成AIについて十分理解してから使い始めようとするのではなく、『まず使ってから理解する』という姿勢が大事」とのこと。難しく考えず、わからないことや思いついたことを、何でも生成AIに聞いてみることが第一歩だそうです。
「たとえば、『ピーマンが余っているからレシピ教えて』など、身近なことから気軽に使い始めてみてください。あるいは、生成AIにプロンプト(指示文)の書き方自体を聞いてみるのもよい方法です」
一方で、「生成AIに宿題を全部やらせてしまうのではないか」という保護者の懸念に対して、讃井さんは「親が子どもに伴走しながら、学びを深めるための生成AIとの対話の仕方を教えることが重要です」と指摘します。
たとえば感想文なら、いきなり全文を生成AIにつくらせるのではなく、「自分のアイデアをベースに構成案を考えてもらう」「書いた文章をより良くするための意見をもらう」など、生成AIを思考のパートナーとして活用するやり方を親子で試してみます。そうすることで、子ども自身が感想文を書くプロセスを俯瞰的に捉える力が養われ、深い学びにつながるといいます。小学生のうちに保護者が使い方を教えることで、子どもが一人で使うようになった時にも、生成AIとの建設的な対話ができることが期待されます。
生成AIの活用次第で格差も
そして何より大切なのは、「保護者自身が生成AIを楽しんで使い、そのポジティブな体験を子どもに見せること」だと、讃井さんはいいます。
「生成AIをまったく活用していない家庭と、うまく活用している家庭では大きな格差が生まれる時代が来るでしょう。たとえば情報収集一つをとっても、生成AIを使えば、何倍ものスピードと量でより正確な情報を得られるようになります。また、子どもの学習サポートにおいても、分からないことが即座に解決できるか、子どもの『もっと知りたい』という探究心にどこまでも応えられるか、といった点で大きな差が出ることも考えられます」
長谷川さんも、生成AIや動画といったツールを「うまく使える子」と「そうでない子」の間で、学力に大きな差が開くのを感じているといいます。特に生成AIは「基礎学力や語彙力といった土台のある子が使うことで、より効果を発揮する」ため、基盤がない子はツールをうまく使いこなせず、置いていかれてしまう可能性があることを指摘しています。
もちろん、生成AIにすべてを任せるのは危険です。特に小学生の場合、親の伴走が不可欠です。生成AIの回答が正しいかどうかを見極めたり、効果的な対話の方法を教えたりする役割が求められます。
生成AIは、急速に進化しています。讃井さんは「半年で別物になる」 ほどの速さで進化するため、昔少し使った知識のままだと、現在の生成AIの能力を理解できない可能性があると指摘します。だからこそ、保護者が「触り続ける」ことが大切です。「特に小学生の家庭学習において、生成AIは保護者の皆さんを“エンパワー(力づけ)してくれる存在”となります」と讃井さんは話しています。
「ChatGPTやGeminiなど、主要なサービスだけでも十分な機能があります。生成AIを強力なアドバイザーやサポーターとして活用できるよう、まずはどれか一つを使ってみるとよいでしょう」
※この記事は、THE GOLD ONLINEとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。
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