年金制度には理不尽さも?それでも、やっぱり老後の大事な柱
「年金は保険のようなもの」とよく言われます。それは、国民全員が加入する「国民皆保険」と同じように、年金も原則としてすべての人が加入を義務づけられているためです。
また、年金は今のためではなく、将来に備えるもの。現役世代が支払っている年金保険料は、現在の高齢者の生活を支えるために使われる仕組み(賦課方式)となっており、この点でも保険に似た性格を持ちます。
ただし、支払った年金保険料が必ずしも将来自分に返ってくるとは限らない、という点は、やはりモヤモヤするところです。たとえば、独身で遺族がいない場合や、早くに亡くなってしまった場合は、支払った保険料が十分に回収できないこともあります。これでは「払い損では?」と感じるのも無理はありません。
実際、「保険みたいなものだから」「仕方ないよね」と言われても、納得できない人がいるのは当然です。毎月の給与から天引きされる金額を見れば、なおさらそう思うでしょう。
それでも、年金が老後資金の柱であることに変わりはありません。長寿化が進む今、年金は「もしも」ではなく「いつか必ず来る老後」に備える手段です。実際に、支払った額以上の年金を受け取り、生活を支えられている人もたくさんいます。
また、万が一のときは遺族年金として家族を支える仕組みも整っており、社会全体を支える重要なセーフティーネットとして機能しています。
理不尽に感じる部分があっても、年金はやはり多くの人にとって、老後の生活を支える確かな基盤であることは間違いありません。
そこは理解してはいても、長年働いてきた人にとって、年金額が十分であるかといえば、そうともいえません。「少ないとは想像していたけれど、想定外のことがたくさんあった」と驚く人もいます。その理由はどこにあるのでしょうか。
