年金からこんなに色々引かれるなんて…Aさんの溜息
長年勤めた会社を定年退職して1年半ほどたったAさん・66歳。楽しいことばかりではない現役時代でしたが、長い間勤め続けた会社です。最後の出社日は万感の思いに包まれたといいます。
定年を迎える少し前、64歳当時のAさんの資産は、貯金と退職金の残りを合わせて1,600万円。Aさん自身の年金は月14万円、同じ年の妻も少し遅れて月8万円ほどの年金受給を見込んでいました。
しかし、いざ受給をするようになって気づいたこと。それは「年金からも税金や社会保険料が引かれる」ということでした。年金からは、多くの場合、年金額面の10~15%程度を納めることになります。具体的には、税金=所得税・住民税。社会保険料=健康保険料・介護保険料です。
Aさんも、月あたり15万円程度の年金だと思っていたところ、実際に使える額は月13万円程度でした。
現役時代、ピーク時には年収650万円程度あったAさん。それでなくても、年金暮らしになって年収は激減しています。その中で1~2万円の差は、想像以上に大きいものだといいます。
「あと1万円あれば何食分になるんだろうとか考えますよね。勉強不足だったのは確かなんですが、年金世代からも社会保険料や税金を取るって、あまりに厳しすぎませんか? 給料から長い間保険料を引かれてきて、なんだかなって感じですよ。いざ自分が年金暮らしになると、もっと自分たちに還元してほしいって思います」
そもそも年金額について「少ない」「足りない」と感じる人が多い上、税金や社会保険料の負担で、実際に使える金額はさらに少ないという事実。貯金が少なくギリギリの老後計画を立てていると、厳しい家計になる可能性もあります。
年金については、年金額や家族構成、居住地などによって異なります。また一定の収入以下であれば、非課税や免除対象になりますので、具体的な受給額、税金や社会保険料の扱いを正確に知りたい場合は、年金事務所に問い合わせるのが確実です。
介護や医療といった老後に欠かせないサービスを維持するためには、一定の財源が必要です。安心して老後を過ごすための仕組みとしては必要な側面もあるのが現実です。
しかし、2023年に厚生労働省が実施した国民生活基礎調査では、全世帯で「生活が苦しい」と答えた割合は実に59.6%。高齢者世帯だけに絞っても59.0%が苦しいと回答しています。
苦しいという意見は主観的であり必ずしも収入と連動しているとはいえませんが、多くの人にとって貴重で限られた収入である年金。現実的な制度である一方で、見直しを求める感情があったとしてもいたしかたないでしょう。
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