なぜ「オフの日」にアイデアが生まれるのか?
アクションプランについてのセクションで最後に書いておきたいのが、スイッチをオフにする日を設けるようにしよう、という提案です。
仕事漬けの日が続くと頭が疲弊して、パフォーマンスは目に見えて落ちてきますし、斬新なよいアイデアなんて浮かんできません。
頭をリセットする日をつくりましょう。空っぽにしたとき、ふと思いがけないアイデアが降ってくることがあります。
よくいわれることとして、画期的な発想は会議室から生まれません。あなたもそれは身をもって経験したことがあるかもしれません。会議やミーティングの類は、意見をもち寄る場であって、即興で創作する場ではありません。
ではその事前に用意する意見はいつ生まれるかといえば、布団の中だったり、トイレだったり、移動中だったり、オフの日に友人や子どもと遊んでいるときだったりします。
知り合いに月10日しか働かない人がいます。残りの20日は、趣味に熱中したり、旅行へ出かけたり、全力で休むそうです。
もともとその人は働いてばかりの人間でした。働けば働くほど収入は上がる、そう信じていたのです。しかしあるところで天井にぶつかり、それ以上収入は上がらなくなってしまいました。それどころか、仕事の質が落ちてしまい、オファーが減ってきてしまったのです。舞い込んできた仕事を片っ端から受けていくスタイルだったので、心に余裕がなくなり、頭がショートし、結果パフォーマンスが落ちてしまったのでしょう。
そこでスケジュールの立て方を切り替え、先にスイッチをオフにする日を決めるようにしました。こうすることで、スイッチオンの日は仕事に熱中することができ、仕事の効率は倍増し、収入も増えたそうです。また休みの日には新しいアイデアを考える余裕もあり、さらに自分の事業を広げることができるようになりました。
多くの経営者や成功している事業主は、休みも満喫しながら収入を上げています。彼らに必要となるスキルは、柔軟なマインドと発想力です。これらが生まれるのは頭が空っぽのとき、すなわち日々の切り詰めたルーティンから離れているときであることを、彼らは熟知しています。
だから休むと決めたら、全力で休むのです。
年中無休をウリにすれば「ありがたみ」も薄まる
さらに休む日を決めることで、自分のペースにもち込めるというメリットもあります。
「いつでも仕事できます!」というスタイルだと、相手にいいように使われてしまいかねません。自営業の人が陥りやすい、非効率的なスタイルです。
飲食店の場合、カレンダー上に連休があってもついつい営業したくなってしまうものですが、あえて休みにしたことで売上が上がったという例があります。「この日は休みにします」と掲示したことで、お客さんが「なら休みになる前に行こう」と思って、足を運んでくれるのです。
いつでも営業している無休だと、ありがたみが薄れ、「いつでもやってるんだから今度でいいや」という気持ちになってしまうもの。その思考を逆手に取っている、という言い方はあまりふさわしくないかもしれませんが、ここにも休む大切さが表れています。
休みの日を上手に設定して、相手をこちらのペースに巻き込むようにしましょう。