優れた人を「お手本」にするクセをつける
指導者とはいかないまでも、参考にできる人、「よいな」と思えるスキルや性格を身に付けている人が、あなたの周りには必ずいるでしょう。
それは仕事も私生活もまったく関係ありません。自分のもっていない性格や能力、ほしい資質をもっている人と知り合えたら、さっそくお手本とさせてもらうクセをつけましょう。
仕事が早い人
話し方がうまい人
一緒にいるとホッとする人
人を笑わせるのが上手な人
知らない人とでもすぐ仲よくなれる人
お金のやり繰りが上手な人
「自分はあいつのようにはなれないな」と割り切らず、彼らのよいところはできるだけ吸収するようにしてください。
私がかつて勤めていたセレクトショップには、優れた先輩店員の方々がたくさんいらっしゃいました。挨拶の仕方やお客様との接し方、在庫の整理、電話対応に至るまで、各方面で突出している人がいました。純粋に「凄いなあ」と感心してしまうことが何度もあったのです。
駆け出しだった当時の私は、彼らの実力に少しでも追いつこうと、まず、彼らがもっている「凄いなあ」と思えるスキルをひたすらマネることからはじめました。
接客の上手な人がどういうタイミングでお客さんに声をかけているのか、売上ナンバーワンの人がお客さんに喜ばれる服をどうやって選んでいるのか、などなど。
彼らをじっくり観察(リサーチ)して、実際にマネ(モデリング)するように心掛けたのです。
結果は自然とついてきました。私の営業実績は伸び、店内で指折りの敏腕店員へと成長することができたのです。
まずやるべきは「オリジナル」ではなく「モデリング」
相手のよいところをマネてみても、うまくいかないことがあります。それは仕方のないことで、その人にしかできないこともあれば、自分にしかできないこともあるのだから。
大事なのは、体験し、自分なりの感触を得ることです。その人のやり方をもとにして、自分なりの色をつけていければ、大きな失敗をせず成功への近道を辿ることができます。
成果を出せていない多くの人は、最初からオリジナルでやっています。私はコンサルタントとしてクライアントに指導することがありますが、なぜだか教わったことをそのまま実践せず、いきなりオリジナルに走る人がいます。そういう人はもれなく失敗し続け、成功体験を得ないまま消えていってしまいます。
コーチのやり方を無視し続けて成功したスポーツ選手がどこにいるでしょうか。マネすることすらできない人は、決して成就することもないでしょう。
まず育てるべきは、オリジナルではなく、モデリングする能力。誰かのマネをするのは、じつはそれほど簡単ではありません。モノマネが1つのエンターテイメントとして成り立つように、一挙手一投足をモデリングするのには相応のスキルが要求されるのです。
自分を客観的に見ることができなければなし得ないでしょう。相手と自分のやり方のどこに違いがあるのか、冷静にすべてを客観視しなければいけません。
そのためには、リサーチが必ず必要です。マネしたい相手を観察して、自分との違いをあぶり出しましょう。リサーチしてモデリングするクセが身に付けば、一定の成果は出てきます。得られた結果と反省を踏まえた上で、オリジナルを確立していってください。