常に「最悪の事態」を想定
複数の収入源をもつことはつまり、失敗のリスクを減らすということ。気持ちが楽なまま、新しいことに挑戦していけます。さらに紐づけして、リスクを減らすための保険がいかに大事かをここでは詳しく掘り下げておきます。
新しいことに挑戦する気概と能力があっても、気軽に構えすぎて思わぬ落とし穴にはまってしまう人がいます。それはビジネスの内容や性質がどうこうよりも、人間関係やお金の取引などについて、あまり深く考えないまま実行することで招かれる悲劇といえるでしょう。
私も、どちらかといえば、「なんとかなるだろう」という気構えの楽天家だと思いますが、内面では常に最悪の場合を想定するようにしています。
新しい事業が失敗したら?
パートナーに託した資金をもち逃げされたら?
扱う商品が届かなかったら?
取得したアカウントや口座が突然ロックされたら?
頼りにしているパソコンがクラッシュしたら?
あなたが関わっている物事について、常に超最悪の事態はイメージしておいたほうがよいでしょう。明確な対処法がすぐには見つからなくても、いざそうなったときアタフタしなくて済みます。少なくとも、複数の収入源をもっていれば、金銭へのダメージは最小限で済むはずです。
精神的に参ってしまう時間を少なくできれば、マイナスからフラット、フラットからプラスへもっていくまでの手間も少なくすることができます。精神的ダメージを減らす手だてとして、まずは超最悪イメージを抱いておいてください。
具体的な対策としては、契約書を交わしておく、相応の保険に入っておくといった、公的な効果のあるものを用意するのが常套手段。
これは、扱う事業の規模が大きくなればなるほど重要となっていきます。企業レベルでやっていれば、当然のように通過する儀式のようなものですが、個人事業だと見過ごされがち。ここをきっちり処理しておけば、「まさかこんなことが起きるとは」といった事態にも安心して対応できます。
ビジネスは想定外のことが起きて当たり前ですし、失敗することも日常茶飯事です。それらマイナスな出来事をいかにしてカバーし、どうリスクヘッジをとるかが、ビジネス手腕の問われるところだといえます。
保険を効かせてステップアップすることは可能
これから独立して個人でやっていこうと考えている人も、いきなり勤めている会社を辞めるような暴挙には出ないでおきましょう。プレイヤーとオーナーを両立していくことは可能なのですから。
脱サラして流行りの商売に手を出してみたものの、一時的に稼げただけで、ブームが去ると同時に倒産、残ったのは借金だけ。そんな超最悪イメージを実際に体験してしまっている人のなんと多いことか。複数の収入をもつマインドと、リスクに対する保険のことを踏まえていれば、こんな大失態は絶対に冒しません。
ちなみに私は、いきなり会社を辞めてしまった無謀なタイプです。
人を信じやすく、自分で言うのも恥ずかしいですがピュアすぎた当時の私は、「100万円出せば稼がせてあげるよ」というコンサルタントの口車に乗せられ、勢い任せで辞表を出しネット事業に参入しました。
資金が足りなかったので、親を1カ月以上説得して一部出してもらったくらい、当時の私は切羽詰まっていましたし、最悪の事態を想定しない超楽天家、いい言葉で表現すればアグレッシブ人間でした。
さっそくコンサルタントに言われたことを純粋に実践していきました。が、自分が悪いのか、教え方が悪いのか、はたまた稼ぎ方自体が間違っているのか、まったく稼げません。収入のめどが立たないので、派遣の仕事をして食いつないでいました。
いまなら「これはこれでいい経験だったのかな」と振り返ることができますが、当時は地獄で生きている心地でした。もっとしっかりリスクのことを踏まえておけば、あんな苦しみを味わうことはなかったでしょう。
もっと確実に、保険を効かせてステップアップすることは可能です。あなたは絶対に、いきなり辞めるなんて暴挙はしないでください。