関税発動前に“駆け込み需要”も、第1四半期の個人消費は「減速」か
米商務省が公表した3月の小売売上高は、前月比+1.4%と、2月(同+0.2%)から伸びが拡大しました(図表1)。
一方、コントロールグループ(変動の大きい自動車などを除いた小売売上高)は2月の前月比+1.3%から同+0.4%へ鈍化しました。これは、関税発動前に自動車を中心とする駆け込み需要が生じたためと推測できます。
小売売上高の内訳を見ると、外食(前月比+1.8%)や娯楽用品(同+2.4%)などが高い伸びを示しており(図表2)、これは寒波の影響剥落によるものと考えられます。
また、自動車に加えて、電気製品(前月比+0.8%)や建設資材(同+3.3%)などでも関税発動前の駆け込み需要が生じた可能性があります。GDP(国内総生産)の個人消費の推計にも用いられるコントロールグループは、2025年1月に前月比▲0.8%となったあと、2月(同+1.3%)は高い伸びを示し、3月(同+0.4%)も増加が続いています。
ただし、四半期ベースでは、2024年10~12月期の前期比+1.2%から2025年1~3月期には同+0.9%へ鈍化しており、コントロールグループなどの結果を反映したGDPNow※(アトランタ連銀公表、4/17推計時点)によると、1~3月期の個人消費は前期比年率+1.3%と、2024年10~12月期(同+4.0%)から大きく減速すると予想されています。
(※)アトランタ連邦準備銀行が、リアルタイムに⽶国の経済成長率を予測することを目的に公表している指標。