貯金激減で窮地、老後破産した旧友を見て「明日は我が身」
しかし、年齢が進むにつれて、現実が少しずつ忍び寄ってきました。60歳から65歳までの間、仕事を辞めた鈴木さんに収入はなし。年金が入るのは65歳から。月々の年金額は16万円程度で、このような生活を続けるようなら、年金だけで到底足りるわけがありません。
そして67歳になった鈴木さんでしたが、生活水準を落とすことができず、貯金額はなんと数百万円まで減少。気づけば老後に必要な「最低限の資金」が底を突きそうになっていました。
問題は金銭面だけではありません。贅沢な食生活を続けたことで体重は20kgも増え、糖尿病や脳血管疾患などのリスクについて、医者から厳しく注意を受けるように。
そんなとき、古い友人で3歳年上の井上さん(仮名)に会った鈴木さん。その会話の中で、井上さんが老後破産をして生活に困窮していることを聞かされ、言葉を失いました。
井上さんは若い頃から少しずつ資産を築き、定年後はのんびりと過ごすつもりだったといいます。しかし、退職後に贅沢な生活を続け、また息子や孫のためにお金を使いすぎた結果、年金では足りなくなり、老後資金が底をついてしまったというのです。
今、井上さんは生活費を切り詰めながら、必要な医療費や介護費用に追われる毎日を送っているといいます。
井上さんの話を聞くうちに、自分の浪費の愚かさに気づかされた鈴木さん。60歳の退職時、確かに資産は1億円もありました。しかし、今、井上さんのように「無駄にお金を使いすぎて、気づけば何も残らない」状態になっていることに気づいたのです。
贅沢に使ってきたお金を取り戻すことはできません。そこで鈴木さんは、自宅や車の売却も視野に入れて、次の一手を考えることにしました。
鈴木さんは、ようやく「お金の使い方」を真剣に考えるようになり、老後のために必要な資金計画を見直し始めました。「金銭感覚が狂ってしまった自分の過去を悔やむ」その思いが、鈴木さんにとって最も辛いものでした。
「やりたいことがやれて、楽しかった面もあります。でも限度がありました。自分でコントロールできなくなり、お金を使うことに追われていたような気さえします。愚かでしたね……」
鈴木さんのように、資産があるからといって無計画に使ってしまうと、予期せぬ未来に直面したときに深刻な問題を抱えることになるということを教えてくれています。老後資金における計画性を欠いた浪費は、最終的に大きな代償をもたらすのです。
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