努力だけじゃどうにもならなかった。年収340万円・就職氷河期に泣いた47歳会社員、老親の介護で再び立ち止まる…“報われない時代”の果てに

努力だけじゃどうにもならなかった。年収340万円・就職氷河期に泣いた47歳会社員、老親の介護で再び立ち止まる…“報われない時代”の果てに

春闘2025による賃金の引き上げや新卒初任給の上昇が報じられる中で、就職氷河期世代の不遇さがあらためて注目されています。現在40代半ばから50代前半に差し掛かるこの世代は、若年期の雇用環境に恵まれなかっただけでなく、「親の介護リスク」という新たな課題にも直面しています。そんな就職氷河期世代が抱える現実について見ていきましょう。

不遇の時代を生きる「就職氷河期世代」のリアル

2025年の春闘では、ベースアップと定期昇給を合わせた平均賃上げ率が5%超と、1991年以来の高水準を記録しました。

 

さらに、新卒の初任給も話題に。ユニクロを展開するファーストリテイリングは、2025年入社の初任給を33万円に引き上げ、前年比で3万円アップ。その他の大企業も続々と賃上げを実施しています。

 

若い世代の賃金アップは喜ばしい動きですが、その一方で、不遇の時代に直面した「就職氷河期世代」と呼ばれる人たちもいます。

 

彼らは、おおむね1993年〜2004年に大学を卒業した世代。現在の40代半ば〜50代前半にあたります。新卒で社会に出るタイミングで、まさに「就職の冬」を経験した世代です。

 

当時の大学就職率は69.7%。大卒求人倍率は2000年卒で0.99倍。1倍を切るということは、「内定ゼロ」も普通にあり得た時代だったということです。

 

社会人としての最初のスタートラインは、その後の人生にも大きな影響を与えます。就職に失敗し、そのまま非正規で働き続けたり、希望していない職種で低賃金に甘んじたり。20年たった今でも、苦しい状況から抜け出せない人が多くいます。

 

国税庁の調査(令和4年)によると、日本の平均年収は458万円。正社員は523万円なのに対し、非正規はわずか201万円。その差は実に320万円以上。30年間この差が続けば、1億円近い生涯収入の差になることもあります。

 

非正規社員の厳しさは言わずもがな、正社員だったとしても、地域によっては「新卒当時の月収は12万円だった」という話も。昇給してもベースが低いため、いまだに思うような収入を得られていないケースもあります。

 

また、本当は興味がなかったけど、「仕事がもらえるだけでありがたい」と就いた仕事が合わず、すぐに辞めてしまい、その後はアルバイトを転々……そんな人も少なくありません。

 

そんな背景があるからこそ、「氷河期に生まれたのが損だった」「いまの若者がうらやましい」と思ってしまう気持ちも、理解できるのではないでしょうか。

 

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