世間の人はどれぐらい資産を持っている?
老後に向けてお金をしっかり準備しておくことは非常に重要です。しかし、若い時には収入がなかなか上がらず、結婚・出産をすれば生活費や教育費、さらにはマイホームのローンなど、想像以上に貯金をすることが難しい現実があります。
では、世間の人々はどれぐらいの資産を保有しているのでしょうか?
金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」によると、金融資産(預貯金、株式、投資信託、保険など)を保有している人は全体の64%。一方で、保有していないという人が36%にも上ります。
金融資産を保有している世帯の平均資産額は、単身世帯・2人以上世帯でそれぞれ以下のとおりです(全年代)。
【単身世帯】
平均値:1,492万円
中央値:500万円
【2人以上世帯】
平均値:1,758万円
中央値:715万円
さらに、定年前後の50代・60代(世帯主の年齢)に絞って見てみると、それぞれ以下のとおりです。
【50代・単身世帯】
平均値:2,288万円
中央値:555万円
【60代・単身世帯】
平均値:2,240万円
中央値:1,100万円
【50代・2人以上世帯】
平均値:1,611万円
平均値:745万円
【60代・2人以上世帯】
平均値:2,588万円
中央値:1,200万円
これらの数字を見て、多いと感じるか、少ないと感じるかは人それぞれです。また、たとえ資産が多くても、ローン返済を抱えている世帯も少なくありません。こうした保有額のデータに一喜一憂するのは、実はあまり意味がないとも言えます。
とはいえ、2025年にNRIが公表した調査では、1億円以上の金融資産を保有する「富裕層」や「超富裕層」の割合が増加。2023年時点で165万世帯を超え、調査開始以来過去最高となったこともわかっています。
金融資産ゼロ世帯が多い一方で、富裕層以上の“お金持ち”が増加しているという事実。ここから資産格差の広がりが浮き彫りになると共に、このような富裕層の存在が保有資産の平均値を押し上げる一因にもなっていそうです。そのため、先ほどのデータも中央値を併せて確認することが重要です。
金融資産に関するデータをご紹介してきましたが、実際には保有資産がどれだけ多くても、予期せぬ事態やお金の使い方次第で危機に直面する可能性があります。たとえば、こんなケースです。
