資産1億円達成…「使い切らねば!」早期退職からの豪遊
鈴木和人さん(仮名)は、60歳を迎えたときに資産1億円を保有していました。退職金、預貯金、そして親からの相続分が積み重なった結果です。
これまでの人生、趣味もなく、ただひたすらに働き続けていましたが、60歳という節目を迎えるにあたって考えるようになりました。「このお金、どう使おう?」と。
ほとんどの人が老後資金に悩む中で、鈴木さんには逆の悩みがありました。「どうやって使い切るか」――妻、兄弟、子といった相続人がいない彼は、誰かに残すあてもありませんでした。
考えて出した結論はシンプルでした。「もう全部使い切らなきゃ損だろう」――こうして、鈴木さんは60歳で仕事を辞め、老後を心ゆくまで楽しむ決意を固めました。
最初に手をつけたのは、古くなったマンションのフルリフォームでした。「今の家は古臭いから」と、豪華な内装に一新。高級家具を一式揃え、最新の家電に入れ替えました。
次に目をつけたのは、憧れだった高級外車。「最後の車だから、今しか買えない!」と、自分に言い聞かせるようにして購入。こうした支出は最初は少し気が引けたものの、使った分だけ「お金が減る感覚」が薄れていきました。
鈴木さんの金銭感覚は、そこから狂い始めました。外食時に1万円超えるディナーをすることも珍しくなくなり、高級スーパーでの買い物も日常的に。
時折、自分でも「こんなことして大丈夫なのか?」と思う瞬間がありましたが、気にすることはありませんでした。「お金は使ってナンボ」とでも言わんばかりに、何もかもが豪勢になっていきました。
「これが最後の大旅行」と称して、行き先も決めずに飛行機のチケットを買うことも。「今使わなきゃ、死んでからもったいないだろう」と、まるで無限にお金があるかのように振舞っていました。
こうしたすべてが鈴木さんの手に入れた「成功の証」。使いたい時に使いたいものを手に入れ、人生を楽しむ日々が続きました。
