大変残念ですが…「築75年・ゴミ屋敷の祖父の家」幸運にも400万円で売れるはずが、不動産業者が告げる「まさかの事実」に伯父は寝込み、父はさじをなげる絶望

大変残念ですが…「築75年・ゴミ屋敷の祖父の家」幸運にも400万円で売れるはずが、不動産業者が告げる「まさかの事実」に伯父は寝込み、父はさじをなげる絶望
(※写真はイメージです/PIXTA)

親や祖父母亡きあとの実家の処分。困っている人は少なくありません。諸々不動産業者をあたって、幸運にも売れそう!と期待しても、不動産の売買契約の際にはさまざまなことが調べられます。調査の結果、売買契約がご破算になることも……。本記事では、フリーライター・高殿円氏の著書『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)より、手放したくても手放せない、負の遺産と化した実家を巡る騒動をみていきます。

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1ミリたりとも公道に接していない実家

いま私たちが売ろうとしている祖父の家は、祖父が結婚し商売を始めたころに建てた築75年以上の古いものだ。登記簿謄本には、祖父の前の持ち主や、祖父が死んで伯父と父が相続したことをはじめ、権利の移転などの情報が記録されている。

 

私たちは当然なめるように目を通し、

 

「……いや、べつにヘンなところないですけど」

 

「いえ、松本さん(仮・高殿家実家)の登記簿は問題ないのです。問題なのはお隣の家です」

 

「隣……」

 

たしかお隣は亡くなった祖母の元実家で、現在父のいとこ夫婦(A家)が住んでいるはずである。親戚づきあいはまったくないが。

 

「じつは、お隣の家が、松本さんのご自宅の前面道路と、所有する土地を市と交換したのです」

 

衝撃の事実。っていうか、初耳。

 

「え、え、どういうこと?? 交換??」

 

「どうも道路の拡張工事をしたかった市が、お隣のA家の道路側の土地を譲ってもらうかわりに、松本さんの家の前の道路を交換したみたいです。ですので、厳密にいうと松本さんの家の前の道路は道路ではなく、Aさんの私有地です」

 

「私有地」

 

「公道に接してる部分はありません」

 

「そんなことある!?」

 

いや、しかしそんなことは実際にあった。登記簿ではたしかに家の前はA家の土地になっており、我が家の敷地の前面は1ミリたりとも公道に接していなかったのである。

 

公道に接していなかった
見た目は「普通の道」でも、この場合は、建築基準法で定められた規定を満たしていない私道なので、接道義務が果たされていない。

 

出所:高殿円著『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)
[図表]うちの家周辺状況 出所:高殿円著『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)

 

不動産屋さんを激詰め…おばあちゃんが通っているが?

「いや、そんなことある???」

 

さすがにこれはひどい。公を名乗る団体が善良な一市民に対する仕打ちではないと思う。だって、そんなことをすればうちが、のちのちどんな目にあうか、考えなくてもわかるだろう。公道に接していない家は再建築不可物件になるのだから。

 

呆然とする私、父、伯父、そして母。そしてその前を悠々と通り過ぎる近所のおばあちゃん。

 

「おばあちゃん通ってるが???」

 

私たちはおばあちゃんを見送ったあと、あれはどういうことだと不動産屋さんを激詰め……はしなかったけど食いつくように聞いた。

 

「あれどういうことですか、学校帰りの子どもも通ってますよね。でもそこは私有地では?」

 

「ああ、それはみんなが通れなくなったら困惑するだろうと、市とA家が話し合って私道通行権の許可を出したみたいですね」

 

俺らも困惑してるます!! 困惑してるます!! しかし、我々の困惑は市にはいっさい考慮されなかった。つまり、A家は近所の人もいままで通り通れるように通行許可を出した。(これを私道通行権と通行許可といいます)だからうち以外の人はなんら変わっていない。変わったのはうちだけ。祖父が亡くなり、伯父と父が相続したあと、ひそかに市と隣家がぶつぶつ交換をして再建築不可になったうちの家だけ! 我が家は激怒した。

 

「これはもう市を相手に裁判するしかねえ!!!!!!」

 

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本連載は、高殿円氏の著書、『私の実家が売れません!』(エクスナレッジ)から一部を抜粋し、実家じまいの実情について詳しくご紹介します。

私の実家が売れません!

私の実家が売れません!

高殿 円

エクスナレッジ

郊外築75年、大量のガラクタ、恐怖の再建築不可物件……。 残された実家は超問題だらけ!! 笑いと涙、前代未聞の実家じまい本! 維持費に相続手続き、片付けに親族問題、税金対策に売却まで、 いま話題の”実家じまい”…

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