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築75年・ゴミ屋敷と化した祖父の家を売却したい
伯父と父に頼んでもどうせなにも動かないのはわかっていたので、祖父の家からなるべく近い場所で長年、不動産業を営んでいる不動産仲介業者さんにお願いすることになりました。タウンページという黄色い凶器を探すまでもなく世は令和。我々は全員エデンでリンゴをかじったエヴァの末裔。ありがとうiPhone、ありがとうグーグルマップ。ありがとうありがとう業者一瞬で絞り込めたわ。
不動産仲介業者
実家売却の際、一番はじめに頼るべき相手。不動産を売却または賃貸するとき、売主・貸主と買主・貸主の仲介役として契約成立に向け業務を行う業者。収益は各種契約締結に成功報酬として手数料が発生する。
不動産業者だけが見ることができる「レインズ」という業者専用SUUMO(説明雑……)みたいなサイトがあります。しかし我々素人でも、そんな専門サイトを見るまでもなく、ネットで近隣の家が近年だいたいどれくらいの相場で売れていったのか把握することは可能です。
レインズ
国土交通大臣の指定を受けた「指定流通機構」によって運営される不動産情報ネットワーク。利用は不動産会社に限られ、一般人の閲覧は不可。
https://system.reins.jp/
もっとも、仲介業者さんを入れれば、いくらで売りに出して実際はいくらで売れたのかとか、いつ売れたのかとか、そのへんの詳しいデータはきちんと報告書にしてくれます。値付けの根拠にするためですね。同じご町内のこれくらいのおうちはこのお値段で売れました。なので実際はこれくらいで売れるだろうと思われます、値引き交渉のことも考えて、プラス100万くらいで売り出してはどうですか、とかいう感じに進みます。
さすが仲介業者さん、餅は餅屋、このあたりの流れはスムーズです。やがて、うちのボロ家にも買い手候補が現れました。築75年の上物に価値はないので、一度更地にして小さなおうちを建てるのだと聞きました。祖父の家は田舎とはいえ、JRのまあまあ主要駅から歩けないことはない遠いが!という物件。幸いなことに近くにまあまあ大きな病院も、ショッピングモールもありました。めちゃくちゃいい環境ではない。どっちかというと寂れてはいる。
しかしこれから若い夫婦が土地付きの家を建てるのには手頃ではあるし、なにより綺麗な長方形の土地で南側が道路に面しており、日当たりもいいです。売れんことはないだろう、と踏んでいました。
実際500万で売りに出していたところを400万でという申し込みがあり、伯父と父も納得の上売買契約書が作られ、いよいよ引き渡し日も決まりました。ここまでくると私も、ああよかった伯父か父が死ぬまでに現金化できて、と安心して契約完了報告をまつだけの状態だったのです。
ところが、これが地獄の始まりでした。
