これだけの体験をしている自分は特別な存在…「マウント欲求」を満たすことがサービスやブランドを永続させる鍵といえるワケ

これだけの体験をしている自分は特別な存在…「マウント欲求」を満たすことがサービスやブランドを永続させる鍵といえるワケ
(※画像はイメージです/PIXTA)

個人消費の活性化は日本経済の成長を実現する上で欠かせませんが、高齢化・少子化などによって極めて苦しい状況にあるのが現実です。そこでカギとなるのが「マウント消費」という新消費行動。サービスやブランドが長く愛されるため、現代の消費者にアピールするためにも、「マウント」という概念が重要になります。本記事では、勝木健太氏の著書『「マウント消費」の経済学』(小学館)より一部を抜粋・再編集して、その理由をご紹介します。

サービスやブランドが長く愛され続けるために必要なこと

新商品やサービスを企画する際に、流行りのバズワードを取り入れることは賢明な戦略に思える。確かにトレンドに乗ることで、一時的に消費者の注目を集めることはできるのかもしれない。

 

しかし、表面的な流行を追いかけるだけでは、人々の心理に深く響く共感を得ることは難しい。トレンドはあくまで一過性のものであり、消費者の内面に潜む本質的な欲望に触れない限り、持続的な支持や愛着を引き出すことは基本的に不可能である。 

 

人間の行動を根底で規定しているのは、「他者と比較して自分の価値を確認したい」「自分の優位性を実感したい」「見下されたくない」という欲求だ。これがいわゆる「マウント欲求」と呼ばれるものであり、私たちの行動に見えない形で大きな影響を及ぼしている。

 

新商品やサービスを創出する際に真に重要なのは、流行りのキーワードに便乗することではなく、この欲求を的確に捉え、消費者が「自分は他者とは違う特別な存在である」と自然に実感できるような体験を丁寧にデザインすることである。 

 

たとえば、SNS上で見られる「映え」や「いいね」を求める行動は、「美しいものを共有したい」という表面的な欲求にとどまらない。その背後には「自分が周囲よりも優れた体験をしていることを誇示したい」という潜在的な感情が見え隠れしている。

 

豪華なリゾート地への旅行、ハイブランドのファッション、高級レストランでの一皿──これらの投稿はすべて「これだけの体験を手にしている自分は特別な存在だ」という無言のメッセージを発信しているのである。

 

言い換えれば、「自分の価値を証明することができる体験」が現代の消費行動の中心的な原動力となっている。そして、その体験をどのような形で設計できるかが消費者の行動を大きく左右する決定的な要素となる。

 

この「マウンティングエクスペリエンス(MX)」をデザインする際に最も重要なのは、こういった消費者心理にどれだけ的確かつ深いレベルで応えられるかという点に尽きるのである。 

 

日常生活にSNSが深く浸透し、消費行動が自己表現や他者との差別化と密接に結びついている現代社会において、企業は流行を追いかけるのではなく、「自分らしさ」を実感できる体験を提供することに全力を注ぐべきである。

 

現代の消費者は、「顧客」であると同時に「自己表現者」としての顔を持つ。彼ら/彼女らの自己表現欲求を満たし、それを通じて自らの価値を確信できる場を創出することが、サービスやブランドが長く愛され続けるために肝要なのである。

 

 

勝木健太
文筆家、実業家、経営コンサルタント

 

 

注目のセミナー情報

【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション

 

【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

※本連載は勝木健太氏の著書『「マウント消費」の経済学』(小学館)より一部を抜粋・再編集したものです。

「マウント消費」の経済学

「マウント消費」の経済学

勝木 健太

小学館

消費トレンドはモノ・コトからマウントへ 「こんな素敵な場所に旅行してきました」 「こんな美味しい料理を楽しみました」 「こんな特別な人と過ごしています」 SNSで頻繁に目にするこうした投稿。その背後には、多く…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録