日本は「マウント先進国」として世界をリードできる
たとえば、ブランド品の選択において、日本人は好みであるということ以上に微細な差異に価値を見出す。同じブランドであっても、色やデザインの僅かな違いにまでこだわり、それが「高級品を持つだけでなく、自分のセンスを反映させている」という自己表現を可能にしている。「モノ消費」から「コト消費」への進化が進む中、こうした「微妙な差異」の追求はさらに洗練されている。
加えて、インスタグラムやTikTokといったSNSの普及がこの傾向を加速させている。現代では、高価なモノそのものよりも「どのようなストーリーがその背景にあるのか」「他者との差異をどのように際立たせているのか」が特に重視されるようになっており、消費行動の新たな価値基準となりつつあるのである。
このような「さりげないマウント」を可能にする洗練された消費文化は、欧米にはない日本独自の価値と言えるだろう。日本が「マウント先進国」として世界に発信すべきは欧米的な露骨な見せびらかしではなく、こうした「さりげなさ」を重視しつつも自らのセンスや価値観を巧みにアピールするスタイルである。
これは日本特有の美意識と深く結びつき、他国の消費文化とは一線を画す独自性を際立たせている。
少子高齢化による国内市場の縮小は避けられない現実である。しかし、日本独自の価値基準である「マウント消費」を世界に輸出することで、新たな経済成長モデルを提示できるポテンシャルは十分にある。
「マウント消費」は、体験や物語、さらにその演出方法に重点を置いており、次世代の経済を動かすエンジンとなり得る。日本が「マウント先進国」として、他国に先駆けた消費体験を提案し、世界の消費行動をリードする未来は、もはや夢物語ではない。それは日本経済の次なる飛躍を支える確かな基盤となるのである。
勝木健太
文筆家、実業家、経営コンサルタント
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