下調べではわからない落とし穴
晴れて引っ越しをし、同じ階に住む3世帯と上下の2世帯に挨拶。世代はバラバラでしたが、どの人たちも笑顔で話をしてくれて一安心。綺麗な家での新しい生活に、三好さんは大満足でした。
ところが、それから半年ほどたって気温が高くなってきたころ、状況は一変しました。右隣の家から異臭が漂うようになったのです。ベランダに生ごみなどを捨てずに溜めており、それらの腐ったゴミが原因でした。
お隣に住むのは60代の夫婦。2人暮らしで物静かな雰囲気です。三好さんの妻が気づき、管理組合に連絡。クレームを伝えますが、一度片付けてもすぐに同じ状況に。ベランダだけでなく、共有部分から見える玄関スペースにも、ゴミが山のように増えてきています。
せっかくの綺麗な家も、いるだけでストレスがたまる最悪の状況に。三好さんはため息交じりでこう話します。
「こんな大きな買い物でハズレくじを引くとは思わなかった。管理組合経由で裁判、強制退去という話が出ていますが、臭いや虫の問題で一刻もこの家を出たい気持ちです。でも、今の状態じゃ売れませんからね。これなら団地暮らしのほうがよかった。運の悪さに泣きたいですよ」
「持ち家派」が多いが…デメリットも
「住宅居住白書(全国宅地建物取引業協会連合会(2024年)」によると、持ち家派が63.3%。賃貸派は20.1%。持ち家派のほうが圧倒的に多くなっています。
あなたは「持ち家派」「賃貸派」どちらですか。現在のお住まいに関係なく教えてください。
・持ち家派(マンション・集合住宅):16.9%
・持ち家派(一戸建て):46.4%
(以上、持ち家派の合計:63.3%)
・賃貸派(マンション・集合住宅):17.8%
・賃貸派(一戸建て):2.3%
(以上、賃貸派:20.1%)
・どちらともいえない/あてはまるものはない:16.6%
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※全国宅地建物取引業協会連合会「2024住宅居住白書」
持ち家であれば、ローンの完済後は自分のものになります。賃貸の場合は年を取ると審査を通りづらくなる懸念があり、そうした心配をせずに「終の棲家」として暮らせるのが持ち家の魅力です。
一方で、賃貸は住宅ローンや維持費の支払いに追われることはありません。生活スタイルや収入の変化、また三好さんのように「ハズレ」を引いた場合でも、すぐに引っ越すことができます。
国土交通省のマンション総合調査で平成30年度と令和5年度を比較すると、「特にトラブルがないマンション」は23.2%から16.0%に減少し、何らかのトラブルを抱えているマンションが増えているといいます。また、発生したトラブルについては「居住者間のマナーをめぐるトラブル」が60.5%と最も高く、ゴミ管理もその一つに含まれるでしょう。
家を買うこと自体にもさまざまなハードルがありますが、買った後のほうが重要です。どんなに調べても失敗をする可能性は誰にでもある。それは心に留めておく必要がありそうです。
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