絶対揉める予感しかしない…姉も登記している〈アパート兼自宅〉に住む48歳女性、海外在住・バリキャリ姉の帰還に戦々恐々としているワケ【相続の専門家が解説】

絶対揉める予感しかしない…姉も登記している〈アパート兼自宅〉に住む48歳女性、海外在住・バリキャリ姉の帰還に戦々恐々としているワケ【相続の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

自宅の土地と建物を複数人で共有していると、将来の相続や同居の問題が発生しやすくなります。寧々さん(45歳)は母親と実家に住んでいますが、名義が母親、姉、夫と分かれており、姉が将来戻ってくる可能性も。姉との同居や不動産の共有をどう解決すべきか……。相続実務士の曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が詳しく解説します。







姉との同居も?

姉は海外でバリバリと仕事をしており、母親が亡くなったときには父親のときと同様に権利を主張してくるはず。けれども厳しい姉との同居はストレスになりそうで、なんとかしたいのでどうすればいいかと、相談に来られたのです。


姉は日本を離れて久しいとはいえ、老後、戻ってくるかもしれません。名義があるので当然、住む権利はあるというものの、夫にも負担をかけるかもしれず、また1・2階のアパートは夫名義のため、姉には家賃が入りません。それに対し、不満が出ないとも限りません。

共有解消を考える

姉妹でも別世帯ですから、所有割合が多い寧々さん夫婦が姉の権利を買い取って共有を解消したほうがよいというのがアドバイスの一つ目です。


さらに、将来の母親の相続では、母親の土地、建物の権利は寧々さんに相続させると遺言書で決めてもらうことが不可欠です。姉には遺留分相当の現金を相続してもらうことでトラブルを避けることが二つ目のアドバイスです。

 

名義を入れた本音は?

父親の相続で自分の権利を入れた姉の本音を聞いてみては? ということもアドバイスしました。将来実家に戻って住みたいといっても、寧々さん家族との同居は互いに気を遣うところでしょう。これから長い人生、互いにストレスなく別の自宅に住むことのほうが現実的だと言えます。


母親は海外生活が長い長女よりも、普段から面倒を見ている寧々さんが困らないようにしてあげたいということです。姉の気持ちにも配慮しながら共有を解消し、母親に遺言書を書いてもらうことで争いが避けられるとわかり、寧々さんは不安が解消できたので、母親、姉、夫と話をするということでした。

 

相続実務士のアドバイス

 

●できる対策⇒姉の共有解消のため、持ち分を買い取る。母親に遺言書を作成してもらい、不動産は寧々さんにしてもらう。

●注意ポイント⇒親子の二世帯住宅は問題ないのですが、きょうだいの共有はトラブルになりかねないため、できるだけ避けたほうが無難。

 

 

 

 

曽根 惠子
公認不動産コンサルティングマスター
相続対策専門士
相続実務士®

株式会社夢相続 代表取締役

 

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp)認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

 

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

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