老後、心境の変化「お金だけあっても」…ケチが招いた孤独
交際すればお金がかかるし……という考え方のせいだったかはわかりませんが、中尾さんは結婚をしていません。友人関係も、年を取るごとに「お金を使ってまで会う必要はない」と思うようになりました。
一方、お金の事には貪欲な中尾さんは、投資にもチャレンジしました。そうした生活の結果、50歳を過ぎる頃には貯蓄は5,000万円を突破。住宅ローンの繰り上げ返済もしつつ、もはや老後の心配は不要という状態になっていたのです。
そんな中尾さんでしたが、お正月には必ず実家を訪れていました。父・母と、兄と妹と、その子どもたちが集合する唯一の機会です。
しかし、両親が他界すると、その機会もなくなりました。兄と妹の結婚・出産のときにもお祝いをケチり、甥っ子・姪っ子のお年玉も相場より安い金額しかあげなかった中尾さん。親のお葬式も兄任せでした。それだけが理由ではないかもしれませんが、両親の死後、兄妹からすっぱりと連絡を絶たれたのです。
それでもいいと思っていた中尾さんに心境の変化が現れたのは、70代の半ばを過ぎてから。体力が明らかに落ちて、人生の終わりがうっすら見えてきた時だといいます。
「お金ばかり貯めてきた俺の人生はなんだったのか」
家族も友人もなく、お金だけがある……。お金の不安がないことは自分の努力に違いありませんが、それだけを追い求めてきてどうしたかったのか。70代を過ぎ、お金がどれだけあってもやりたいことや使い道はほとんどありません。
老人ホームに入るお金はある。だからといって、そこで独りで死ぬことが幸せなのか?
そう自問自答した中尾さんは兄と妹に連絡を取り、自分の考えを告白。お金で何とかなるとは思っていないけれど、家族の縁を少しでも取り戻したいと行動しているそうです。
お金を貯めても老後に使い切れない日本人
中尾さんはお金を貯めることに集中しすぎたことで、失ったものがあるかもしれない。そう後悔しています。
ただし老後にお金があり、自立して暮らしていけることは決して悪いことではありません。「子どもはいるけれど自分のことで迷惑をかけたくない」といった意見も多く、むしろ中尾さんのような老後を目指す人も多いかもしれません。
また、中尾さんはやや極端ですが、日本人は世界の中で見ても「貯めこみ体質」と言われています。
内閣府「令和6年度年次経済財政報告」の「日本の年齢階層別の資産の保有状況」によると、家計金融資産は60-64歳までがピークで平均1,800万円強です。しかし、85歳以上を見ても1,500万円強と、資産低下が1割半ば程度。資産が減らないのです。
資産を残して子や孫に引き継ぎたいなどの目的がある一方で、年を取って使う先がない……そんな理由も含まれているかもしれません。
「お金を貯めることがゴールではなく、どう使うかがゴール」という言葉もあるとおり、貯めたお金を上手に使うことが大切だといえそうです。
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