年金を繰上げてよかった…そう語るワケ
60歳からの5年間、継続雇用で働くかどうかの選択に際しては、同じ年の妻とも相談してきっぱり退職することに決めました。
そして、年金受給についても5年の繰上げを決意。というのも、損益分岐点を調べると、81歳くらい。それを超えて生きた場合に、65歳時点で受け取るよりも損をすることがわかったからです。
寿命ばかりはなんともいえませんが、伊藤さんの家系は男性が比較的短命。早くお金を受け取って人生を楽しんだほうがいいじゃないか……。そう思ったのだそう。
伊藤さんの65歳時点で受け取れる年金見込み額は月12万円程度でしたが、5年早めると月9万円程度。妻も同様に繰り上げることで、減額後で月6万5,000程度になります。
受取額が減っても、資産の一部を使いながら運用し、普段の生活は節約を心掛け、もしもお金に困るようなことになればアルバイトで少し稼げばいい。十分暮らせるのではないか。
そうした決断の結果、繰上げ受給を実行。子どもは独立済み、住宅ローンも65歳で無事完済、株式投資の配当金もある。そんな「優良家計」ということもあり、67歳になった今のところ老後資産に不安はありません。
たくさんある時間は、平日の安い航空券を買って妻と旅行に出かけたり、散歩をしたり、料理をしたり。投資のさらなる勉強に加えて、オンライン英会話も始めたそう。
「健康なうち、好奇心があるうちにお金があると、やりたいことがやれます。70代、80代と老いていけば使う先も自然と少なくなるもの。メリハリつけて楽しんでます。もちろん妻のほうが長生きすると思うので、その分のお金はしっかりと残しておかなきゃ。でも、今のところは繰上げしてよかったと思っています」
受け取り方に正解はない…慎重な選択を
伊藤さんは繰上げしてよかったというケース。しかし、そのベースには現役時代から蓄えたお金の知識、きちんとした老後のプランがありました。
一方で、繰上げは取り消しできず、一生にわたって減額された金額になります。結果的に「長生きしてしまったから、繰上げて後悔した」ということになるケースもありえます。
また、繰上げをしたことで障害基礎年金が受け取れなくなる、結婚をしている人の場合、寡婦年金の受給権がなくなるなどのデメリットもあります。
いつ受け取るかは自分次第、これという正解はありませんが、慎重に選択したほうがいいことだけは間違いないでしょう。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
