(画像はイメージです/PIXTA)

訪問診療クリニックを開業するにはまず、コンセプトや立地、規模などと併せて、施設の種別を決めることが大切です。なぜなら、在宅診療を行う診療所には複数の種類があり、それぞれに明確な施設基準が存在します。クリニックの理念やコンセプトを実現するためにはどの施設がふさわしいか、どの施設なら堅実な収益モデルを描くことができるか、詳細に検討する必要があります。本記事では、医療法人あい友会理事長の野末睦医師が、クリニックの特徴や方向性を決める際に把握しておくべき、各施設基準とその要件について詳しく解説します。

常勤医師2名以下の場合は連携医療機関内の医師が3人以上必要

在宅医療を担当する常勤医師が2名以下の場合…「連携型」の施設基準

【在宅療養支援診療所の施設基準(2)】

 

他の保険医療機関と地域における在宅療養の支援に係る連携体制(診療所又は許可病床数が200床未満の病院により構成されたものに限る。以下この項において、「在宅支援連携体制」という。)を構築している診療所であって、以下の要件のいずれにも該当し、緊急時の連絡体制及び24時間往診できる体制等を確保していること。

 

ただし、在宅支援連携体制を構築する複数の保険医療機関の数は、当該診療所を含めて10未満とする。

 

なお、当該在宅支援連携体制は、これを構成する診療所及び病院(許可病床数が200未満のものに限る。)が、すべて、診療所にあっては以下の要件、病院にあっては第14の2の1(2)の要件を満たし、在宅療養支援診療所又は在宅療養支援病院となることを想定しているものである。

 

 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、在宅医療を担当する常勤の医師が3名以上配置されていること。なお、在宅医療を担当する医師とは、入院診療又は外来診療のみに限らず、現に在宅医療に関わる医師をいう。

 

 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と協力して、24時間連絡を受ける保険医又は看護職員をあらかじめ指定するとともに、当該在宅支援連携体制を構築する保険医療機関間で24時間直接連絡がとれる連絡先電話番号等を一元化した上で、当該担当者及び当該連絡先、緊急時の注意事項等について、事前に患者又はその看護を行う家族に対して説明の上、文書により提供していること。

 

なお、曜日、時間帯ごとに担当者が異なる場合には、それぞれ曜日、時間帯ごとの担当者を文書上に明示すること。

 

 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と協力して、患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。

 

 当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関若しくは訪問看護ステーションの看護師等との連携により、患家の求めに応じて、24時間訪問看護の提供が可能な体制を確保し、訪問看護の担当者の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。

 

 当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関において、緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。

 

ただし、当該診療所又は当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関のいずれも病床を有しない場合には、別の保険医療機関(許可病床数が200床以上の病院を含む。)との連携により、緊急時に居宅において療養を行っている患者が入院できる病床を常に確保し、受入医療機関の名称等をあらかじめ地方厚生(支)局長に届け出ていること。

 

 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関又は訪問看護ステーションと連携する場合には、緊急時に円滑な対応ができるよう、あらかじめ患家の同意を得て、当該患者の病状、治療計画、直近の診療内容等緊急の対応に必要な診療情報を文書(電子媒体を含む。)により随時提供していること。

 

なお、当該在宅支援連携体制を構築する保険医療機関間において、診療を行う患者の診療情報の共有を図るため、月1回以上の定期的なカンファレンスを実施すること。

 

 患者に関する診療記録管理を行うにつき必要な体制が整備されていること。

 

 当該地域において、他の保健医療サービス及び福祉サービスとの連携調整を担当する者と連携していること。

 

 年に1回、在宅看取り数等を別添2の様式11の3を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。また、当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関の実績を含めた在宅看取り数等を、別途、別添2の様式11の4を用いて、地方厚生(支)局長に報告していること。なお、報告に当たっては、当該連携体制を構築する複数の保険医療機関のうち、1つの保険医療機関が取りまとめて報告することで差し支えない。

 

 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、過去1年間の緊急の往診の実績を5件以上有すること。なお、緊急の往診とは、区分番号「C000」の注1に規定する緊急又は夜間若しくは深夜に行う往診のことをいう。

 

 当該在宅支援連携体制を構築する他の保険医療機関と併せて、過去1年間の在宅における看取りの実績を2件以上を有していること。

 

引用元:Taro-03特掲診療料施設基準|厚労省ウェブサイト掲載

https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken15/dl/6-2-1.pdf

 

認定要件として過去1年間の緊急往診の実績や、看取りの実績などが必要となりますが、在宅療養に力を注いでいるクリニックであれば、それらの要件は半年ほどで満たせる見込みです。

 

機能強化型として認定されると、基本的には在宅療養支援診療所としてもらうことのできる診療報酬の点数は最大になります。

 

もし、連携している医療機関の中に入院病床をもっている施設があれば、「病床あり」の機能強化型在宅療養支援診療所として認められます。その場合、クリニックの診療報酬は一段と高くなります。

 

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