気になること②:日米金利差は23年がピークに見える
[図表4]のとおり、日米の2年および10年金利差は2023年後半にピークを付けています。いずれも、新しいピークが過去のピークを下回る低下トレンドが生じています。
[図表5]のとおり、世界金融危機時を参考にすると、当時は、先に日米金利差が縮小に転じ、そのしばらく後にドル円がピークを付けて下落するパターンでした。
そして、このところの円金利の上昇は急速です。確かに、ドル金利も高止まりしそうですが、金利差はさらに詰まっていく方向に見えます。
円高には行かずとも、「円安はピークを打った可能性も含んでおくべき」でしょう。もっと言えば、幅広い資産で分散するべきでしょう。
気になること③:日本のインフレ率>米国のインフレ率
[図表7]に示すとおり、日本のインフレ率が米国のインフレ率を上回っています。
筆者は、日米ともに「公表されるインフレ率は、実際のインフレ率よりも大幅に低い」と考えています。その理由はシンプルに生活実感からです。ちなみに為政者からすれば、これは好都合です。
日本のインフレ率が米国のインフレ率よりも高いことは何を意味するでしょうか。
それは第1段階として、円の名目金利が、ドルの名目金利に近づくことを意味します。円の名目金利には日本の期待インフレ率が含まれます。ドルの名目金利には米国の期待インフレ率が含まれます。
そして、第2段階として、国際収支の構造を考えると、円の名目金利が上昇することはドルの名目金利に上昇圧力が生じることを意味します。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
注目のセミナー情報
【事業投資】3月22日(土)開催
年商5億円も夢ではない
なんと⁉店舗継続率、驚きの97.3%!
「買取大吉」のリユースビジネスの秘密とは
【税金】3月25日(火)開催
“国税OB不動産専門税理士が登壇“不動産投資セミナー
実物件を使ったシミュレーションで学ぶ賢い不動産投資術!
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】