意思決定のサポートを求める〈幹部人材〉vs 情報を得られれば自分で決める〈経営人材〉
私たちエグゼクティブサーチ・コンサルタント、人材エージェントからして、「経営人材」ほどお付き合いするのにありがたい方はありません。なぜかというと、彼らはご自身で明確な判断軸をお持ちだからです。私たちが彼らにすること(できること)は、素材提供、情報提供のみといってもいいかもしれません。
企業や案件の吟味、取捨選択、検討は、ご自身の持つ判断軸によります。「井上さん、なるほど、わかりました。では、これこれの理由で、この件で進めたい」、そんな会話となります。語弊を恐れず、言葉を選ばずいえば、「楽」なんですよね(笑)。
対して「幹部人材」の方々には、我々がすべきことは非常に多くなります。そもそもどのように考えるべきか、ご自身が大切にされていることは何なのか、検討されている各案件はそれぞれどのような意味を持つか、どの観点ではどのポジションが向いていると思われるか……これらのことを逐一ディスカッションしながら活動を進めることになります。
それが我々の介在価値でもあり、お役に立てている実感を非常に持てるのですが、注意しなければいけないのは、すべてにおいて、本来、選択し決めるのは転職活動をされている幹部人材のあなた自身である、ということです。
時折、選択自体をエージェントに委ねてしまう方がいらっしゃいますが、危険です。万が一、それで転職後にフィットしていなかったというようなことがあったら、エージェントを責めてもいったん転職したという事実は消えませんから。
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念のため、ご経歴やご志向、ご人物タイプなどにもより、「幹部人材スタンス」で転職活動をされることを全否定するものではありません。
ただし、当連載読者であるエグゼクティブの皆さんに多くいらっしゃる、「経営の一翼を担いたい」というご志向で現在・未来に役割を得るための転職活動をされるならば、肩書き如何を問わず、「経営人材スタンス」での転職活動をぜひ実現、実行いただければと思います。
井上 和幸
株式会社 経営者JP
代表取締役社長・CEO
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