過去の分析は大切だが、あくまで将来予想の参考値
図表3は中小企業庁の調査データをもとに、業種別の経常利益率をまとめたもの。業種によって利益率に大きな差があることがわかります。
一番高いのは「学術研究、専門・技術サービス業」の15.4%です。
学術研究、専門・技術サービス業は、
●市場そのものが小さくてニッチ
●したがってライバルの参入が少ない
●専門性が高いので、値段が高くてもその企業に頼らざるをえない
という状況にあるため、利益率が高くなる傾向があります。
一方、卸売業は2.6%、小売業は2.7%でかなり低くなっています。例えば、メーカーからモノを仕入れて小売店などで一般消費者に販売するのが小売業のビジネスモデルになりますが、このような商売は「数をこなして利益を稼ぐ」という薄利多売が基本なので利益率は低くなる傾向があります。
ポイントは利益率が高いほうがよくて、低いのはダメというわけではないこと。業種やビジネスモデルによって利益率が変わってくるということです。したがって「利益率10%以上じゃないとダメだ」と考えるのではなく、業種に応じて選別基準をゆるめに設定したほうがいいでしょう。
例えば、情報通信業で銘柄を探したいのであれば、業種の平均経常利益率が7.8%前後だと確認したうえで「経常利益率が5%以上だったらいいかな」と、業種ごとの特徴を見て利益率を設定することがポイントになります。
さらに業績に関しての注意点が1つあります。それは、
ということ。例えば、皆さんはAとBのどちらの株を買いたいですか?
A: 今まで業績がよかったが今期・来期以降に業績が落ち込みそうな銘柄
B: 今までの業績はそこそこだったがこれから業績が拡大していきそうな銘柄
当然、Bのほうを買いたいと思うはずです。未来の業績を正確に予想するのは不可能ですので、過去の業績の伸び率や最近の変化から「将来の業績拡大はこれくらいだろう」と予想するしかありません。
過去の分析自体は非常に大切で重視すべきです。ただ、過去はあくまで将来予想の参考値であると割り切ってとらえることも大切です。
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かつを
※本記事は『買って寝るだけ! ゼロから5年で月5万円もらえる高配当株』(KADOKAWA)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。記載内容は当時のものであり、また、投資の結果等に編集部は一切の責任を負いません。
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