高配当株の条件の1つ「業績が長期的に拡大している」
高配当株選びには3つの条件があります。1つ目が「業績」、2つ目が「株価が割安圏」。そして、3つ目の条件は「配当利回りが高い」ことです。
このうち、1つ目の業績を見ていきましょう。業績が長期的に拡大しているというのは、各年度の売上高と利益が期を追うごとに増収増益で右肩上がりであることです。
結論からいうと成熟企業の場合、
が高配当株の選別基準だと私は考えています。
例えば、図表1は住宅総合メーカーで物流施設や商業施設の建設、運営なども手掛ける大和ハウス工業(1925)の2007年3月期から2025年3月期予想まで19期の業績推移です。マネックス証券の銘柄スカウターから引用しました。
棒グラフで示した売上高や折れ線グラフで示した営業利益・当期利益の推移を見ると、2011年3月期あたりから右肩上がりで推移していることがわかります。
ここ10年間の平均成長率は売上高が6.8%、本業の利益を示す営業利益が10.4%、最終的な当期利益が11.3%。毎年10%を超える利益成長を10年間にわたって続けているわけですから、とても立派です。
利益成長にともなって2024年3月期までで14期連続の増配を続けており、予想配当利回りは3.18%です。
2008年秋のリーマンショック後に業績が横ばいから減少に転じる不景気な時期もありましたが、その影響が落ち着いてからは株主配当も右肩上がりで増えており、2020年3月期から2025年3月期予想まで直近6期の平均増配率は4.8%です。
有望株を選別するときの重要なポイントは、
株主配当の基本的な考え方は、
というもの。会社が利益を伸ばしていないと配当金を増やすことができないということです。
加えて重要なポイントは高利益率であるとさらによいという点です。どういうことかというと、会社が効率よくたくさんの利益を生み出すことができていれば配当金もより多く出すことができるということです。
高利益率であるということは、企業の競争力が高い、すなわち、
●ライバルが少ない
●製品やサービスが同業他社より優れている
●ブランド力があって値段が高くても買ってくれる
といった優位性のある証拠です。利益率が高い企業ほど長期的に業績を維持・拡大していきやすく、配当金を増やす余力も大きいと考えられます。
大和ハウス工業の場合、マネックス証券の銘柄スカウターによると10年平均の営業利益率は8.5%、当期利益率は5.2%になっています。利益率に関しては単独で見ても「果たしてこの業種の他の企業と比べて高いのか低いのか」がわかりません。よって、同業他社と比較する必要があります。
同業他社の積水ハウス(1928)、旭化成(3407)、住友林業(1911)と比べてみると図表2のような結果になりました。積水ハウスとともに業界トップレベルの利益率を維持しているので合格といえるでしょう。
つまり、高配当株の条件の「業績が長期的に拡大している」に関しては、
A: 売上だけでなく利益も拡大している
B: 同業他社と比べて利益率が高い
という2点を押さえておきましょう。
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