(※写真はイメージです/PIXTA)

事故物件には共通する特徴があり、とくに孤独死が発生する物件には一定の傾向が見られるといいます。それらの要素は、住人の健康や精神状態にどのような影響を与えるのでしょうか。本稿では、事故物件を専門に扱う「成仏不動産」を展開する花原浩二氏、税理士・公認会計士の木下勇人氏、税理士・不動産鑑定士の井上幹康氏による著書『不動産オーナー・管理会社のための 事故物件対応ハンドブック』(日本法令)より、事故物件の特徴について詳しく解説します。

住環境の特徴③暗い

住環境のもう一つの特徴として、室内が暗いこともあげられます。壁や床が暗い色であったり、窓が小さかったり、近隣の建物や地形の関係で光が入りづらい環境になっていたりする不動産は多く存在します。

 

人は日光を浴びることでセロトニンが分泌されます。セロトニンは一般的に幸せホルモンと呼ばれ、精神を安定させて幸福感を得やすくする作用があると言われています。暗い部屋で引きこもりのような状態が続くことで自律神経のバランスが崩れ、精神的に悪影響を及ぼし、結果として孤独死につながっていくのではないかと考えられます。

 

住環境と事故物件発生の間に直接的な因果関係があるのかはわかりませんが、数多くの事故物件を見てきて、住環境が精神状態へ与える影響は想像以上に大きく、「生きる」ことへの意欲さえも変えてしまうのではないかと思われます。

 

また、カビなどが発生している住宅で生活することも、中長期的にみると健康への影響が出て結果として寿命を縮めることにつながるのかもしれません。昨今「建築医学」という言葉を耳にすることがありますが、住環境と事故物件発生の因果関係について研究が進むことを期待したいです。

 

花原浩二
マークスライフ株式会社
代表取締役

木下勇人
相続・事業承継専門『税理士法人レディング』 代表

井上幹康
税理士・不動産鑑定士

※本連載は、花原浩二氏、木下勇人氏、井上幹康氏の著書『不動産オーナー・管理会社のための事故物件対応ハンドブック』(日本法令)より一部を抜粋・再編集したものです。

不動産オーナー・管理会社のための事故物件対応ハンドブック

不動産オーナー・管理会社のための事故物件対応ハンドブック

花原浩二・木下勇人・井上幹康

日本法令

超高齢化や生涯未婚率の上昇などに伴い、単身世帯数が増え、また、世界情勢の不安や物価の上昇、疾病や失業といった環境下で、孤独死や自殺、殺人事件は増加傾向にある。そのような状況で、不動産オーナーが所有する不動産が、…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録