多くの人にとって憧れの職業である「パティシエ」は、実は離職率が非常に高く、一見華やかに映るケーキ店も、その裏側にはさまざまな困難を抱えています。本記事では、前田省三氏の著書『繁盛店のケーキ店から学ぶ 消費期限1日の経営学』(幻冬舎)より一部抜粋・再編集し、ケーキ店経営の厳しい現実について詳しく解説します。

人が育たない離職率の高い厳しい現場

ケーキ店経営を難しくする理由の一つとして、人材確保、育成が難しいことも挙げられます。

 

パティシエは技術習得が求められる職業であり、技術の習得には時間と労力がかかります。それに加えて、力仕事が多い厳しい労働環境、季節変動による長時間労働や低賃金に耐えることが求められます。

 

さらに、仕事を教える人と学ぶ人との人間関係でのミスマッチも多くあります。教える人が自身の教え方を棚に上げて、学ぶ人が時間をかけて適応しろというのが、今までの技術伝承での矛盾のある一般論です。

 

しかし、教える技術を持たない先輩も多いのですが、学ぶ人たちの技術を習得する力も確実に落ちていると私は感じています。

 

ですので、現場視点で思うのは、単純に10年前より教える時間が必要だということです。食事をするときに必要な咀嚼力があるかないかという単純な話です。こうした技術習得、人間関係、労働環境などによって、パティシエ業界は離職率が高く、優秀な人材を確保、育成するのは難しい現状があります。

 

本来、パティシエは多くの人にとって憧れの職業で、特に女子小中学生の間では絶大な人気があります。アデコにより2024年に全国の小中学生1800人を対象に行われた「将来就きたい職業」調査では、女子の部で「パティシエ」が1位に選ばれました。

 

この調査では5年連続で1位の座を維持しており、若い世代に魅力的な職業であることが分かります。ところが、実際には就職から1年以内に70%、3年以内には90%、10年以内には99%が辞めてしまうといわれています。

 

離職率が高ければ採用や教育の時間や費用が無駄になります。また、人手不足はサービスの質、製造の質、量を落とすことになるため、経営上の大きな課題となります。

 

 

前田省三
株式会社パレット 会長

 

 

※本連載は、前田省三氏の著書『繁盛店のケーキ店から学ぶ 消費期限1日の経営学』(幻冬舎)より一部を抜粋・再編集したものです。

繁盛店のケーキ店から学ぶ 消費期限1日の経営学

繁盛店のケーキ店から学ぶ 消費期限1日の経営学

前田 省三

幻冬舎

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