(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査に入られる確率は、年間で、法人は約1.8%、個人は約0.8%です(令和6年11月の国税庁統計データ参照)。とはいえ、税務調査とはまったく無縁な人がいる一方で、なぜか頻繁に調査の対象となる人も確かに存在します。両者にはいったいどのような差があるのか、税務調査に入られやすい人と入られにくい人の違いについて、詳しくみていきましょう。税理士法人松本の代表税理士である松本崇宏氏が解説します。

税務調査に入られやすい事業主の特徴

脱税が疑われる業種

税務調査は、税申告・納税が正しく行われているかを判断するのが目的です。意図的であるか否かは関係なく、間違いがあれば追徴課税されます。

 

税務署側としては、すべての法人や個人事業主に対し税務調査を行うわけにはいきません。だからこそ、脱税が疑われる業種を絞っているようです。

 

以下のような特徴がある場合で申告漏れが指摘されており、今後も税務署が注視していくと予想されます。

 

参照:国税庁|令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況

 

売上が多い

単純に業績がよく、売上が多い法人や個人事業主は税務調査の対象になりやすいといえます。売上が多いと、経費の過大計上や申告漏れなどのミスが多くなりやすいのが理由です。

 

急激に売上が増加したという場合も、税務署が実態を把握するために税務調査が行われる可能性があります。

 

税務署としては、規模の大きな法人を調査したほうが効率がいいというわけです。

 

現金商売をしている

キャッシュレス決済が一般的になってきましたが、まだまだ現金商売をしているという小売業なども少なくありません。銀行口座を介したお金のやり取りがあればお金の流れが掴みやすいですが、現金だと売上の改ざんをしやすい状況となります。

 

帳簿は正しく記載しておく必要があり、「レシートを渡さない」「領収書を渡さない」という商売をしていると管理のずさんさから不正を疑われやすくなります。

 

経費が不自然に多い

経費が多くなると所得を抑えられるため、経費を不自然に多く計上していると税務調査の対象になってしまうかもしれません。事業にかかった経費は当然計上すべきですが、プライベートな支払いを経費に加えていないでしょうか。

 

同業種や同規模の事業者と比較した際、不自然なほどに経費が多いと脱税を疑われてしまう可能性があります。

 

売上が1,000万円以下である

年間売上1,000万円は、消費税の課税事業者となるボーダーラインとなります。

 

正しく計算をして売上が1,000万円以下であれば問題ありません。しかし、毎年1,000万円ギリギリというような事業者は、税務署から「意図的に売上を少なく見せているのではないか」と疑われてしまう可能性が高まります。

 

もっとも、税務調査が入ったとしても、適切に帳簿をつけていて疑いが晴れれば追徴課税の対象にはなりません。

 

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