(※写真はイメージです/PIXTA)

訪問看護・介護には多職種の連携が不可欠です。一方で、24年度の介護報酬改定により、リハビリ専門職による訪問サービスの介護報酬が減算されました。現場にはどのような影響があるのでしょうか。本記事では、居宅介護支援や訪問看護を提供する(株)一期一会の代表であり看護師の安田由加理氏による著書『過疎地域の福祉革命』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋・再編集し解説します。

それぞれの専門分野の兼ね合いでつくるケアプラン

あるいはケアプランを作成する際の連携も重要です。病気や障がいのある人は状態が変わることがあり、状態が変われば必要な訪問看護やリハビリの回数なども変えたほうが良い場合もあります。そうした際にケアマネジャーとセラピストなどが密に連携を取っていれば、リハビリの回数や頻度、内容をタイムリーにケアプランへ反映させられるのです。

 

また、ケアプランは要介護度などに応じて月に利用できる点数の上限が決まっています。そのためケアマネジャーは月額点数の範囲内で上手に訪問看護や訪問介護、通所介護の利用などを組み合わせていかなければなりません。

 

看護師の目から見て利用者の体調が悪化していると感じられたときやリハビリ専門職の目から見てリハビリを増やしたほうがいいと判断したときは、ケアマネジャーに訪問回数や時間を増やすことが必要であると伝えます。

 

その際、ケアマネジャーと他の専門職がしっかり連携して課題を共有していないと「もう点数が足りないから訪問は増やせません。大きな費用がかかります」と言って終了してしまうかもしれません。反対にしっかり連携が取れていれば、どこかのサービスを少し削って必要なサービスに振り分けるなど、その時々の状態に即した柔軟な対応を取ることができます。

リハビリ専門職による訪問は必要不可欠

このように、医療や介護資源が豊富でない地域こそ、多職種が緊密に連携を取って患者・利用者を支えることが求められるのです。実際に私たちは町から委託されて住民の健康増進のための事業を多く担っていますが、行政からの委託を受けるにあたって看護師だけではなくリハビリ専門職がいる事業所というのが条件になっていることがあります。それはまさに、多職種連携による相乗効果を期待されてのことなのです。

 

なお、制度面の話をすれば、厳密には私たちのような株式会社は理学療法士が訪問していても「訪問リハビリ」という言葉を使うことはできません。あくまで訪問看護の一環として、看護師だけではなく理学療法士や作業療法士、言語聴覚士による訪問も行うことができるという制度の立て付けになっているからです。

 

そのため、制度としてはセラピストによるリハビリを行っていても、定期的に看護師の視点で評価することも求められているのです。

 

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本連載は、2024年12月24日に刊行された安田由加理氏の著書『過疎地域の福祉革命』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部抜粋・再編集したものです。

過疎地域の福祉革命

過疎地域の福祉革命

安田 由加理

幻冬舎メディアコンサルティング

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