資本の力で統合・集約を促進させる必要がある
これは日産だけの問題ではない。近年、非常に増加している事前合意なきTOB(株式公開買付)などで、日本企業も再編の動きが活性化している。ようやく日本企業の非合理的な面が排除され、収益性や資本の効率性が高まるとの期待が台頭している。そこに、こんなつまらない形での統合協議のとん挫はその機運に水を差すものだ。
この問題の解決は、PBR(株価純資産倍率)0.2倍台の日産が、鴻海などに買われることだ。経営統合なんて甘っちょろいものではなく、地に落ちた株価で買いたたかれることである。そうして、ダメな企業は市場から退出を迫られ、淘汰されるのだということを示すことである。
なぜか。その理由を述べる。とにもかくにも、日本の株式市場がグローバル投資家に評価されるためには日本企業の再編・集約化の流れを加速させていかねばならない。今回のことで、古い企業体質の古い経営陣によるプライドがそれを阻むということがわかった。それを打破するのは、「資本の力」以外にないからである。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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