一般的に「献花」があるキリスト教式の葬儀
■キリスト教式葬儀ミサ
キリスト教式の葬儀は教会で行われることが多いようですが、自宅や斎場を利用する場合もあります。
聖書朗読や、カトリックでは神父の説教、プロテスタントでは牧師の説教、聖歌(カトリック)、讃美歌(プロテスタント)斉唱。そして仏式の場合の焼香に当たる「献花」が行われます。
1.献花の作法
葬儀では、祭壇に花をささげる「献花」が行われます。献花は、まず喪主、つぎに遺族、親族、次いで参列者の順にささげます。
①自分の番になったら、祭壇の前に進み、花が右手側に来るように両手で受け取ります。
②遺影に向かって一礼し、花が手前に来るように右回りに90度回して献花台に置きます。
③献花が終わったら、遺族や神父(牧師)に一礼して、席に戻ります。
2.キリスト教式での香典の表書き
キリスト教式の葬儀においては、香典の表書きは「御花料」が一般的です。
3.キリスト教式では「お悔やみ」を言わない
キリスト教では、死は「永遠の命」の始まりと考えて、お悔やみは言わないことになっています。
「安らかな眠りをお祈りしています」などとご挨拶するのがよいでしょう。
神葬祭では「仏教用語」の使用に注意
■神道の葬儀(神葬祭)の作法
日本には、古来「神道」という宗教が尊崇をあつめて続いてきました。地方では、神社がない集落などちょっと考えられませんね。
しかし、葬祭については、仏式で行われることが多いため、神道による葬儀の形については、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。
仏教では、葬式は「故人を極楽浄土へ送る儀式」として行われます。神道では、「故人に家に留まっていただき守護神となっていただく儀式」となります。
したがって、神葬祭が神社で行われることはあまりありません。自宅もしくは斎場で行われるのが通例です。
1.神葬祭の流れ
神葬祭では、臨終から納棺にあたって、「帰幽奉告」、「枕直しの儀」、「納棺の儀」に次いで、「通夜祭」が行われ、葬儀当日の「葬場祭」という儀式に移ります。
2.玉串奉奠(たまぐしほうてん)
①神職に一礼し、玉串(榊の枝に紙垂(しで)という紙飾りや木綿(ゆう)という糸飾りが付く)を受け取ります。
②玉串は、右手で枝の根元を上からつまみ、左手は下から葉を支えます。
③玉串を奉奠する(ささげる)。祭壇の机の前まで進み、一礼。
④右手と左手を持ち替え、根元が祭壇へ向くように、玉串を右回りに回します。
⑤その方向のまま、玉串を両手で机の上に置きます。
⑥神社におまいりするときのように、「二礼、二拍手、一拝」の儀礼を行いますが、忘れてはならないのは、拍手で音をたてないことです。これを「しのぶで」と言います。
⑦終わったら、かるく一礼して席に戻ります。
3.神葬祭で気をつけたいこと
神葬祭では、マナーも仏式とは異なります。
まず、数珠は使いません。服装は一般的な黒い喪服で結構ですが、靴やバッグ、靴下なども黒で合わせたいものです。
不祝儀袋は、神葬祭ですから、仏式でよく使う蓮の花の模様入りなどは禁物です。水引は黒と白の結び切り、表書きは「ご霊前」「御玉串料」「御神前」などと記します。
ぜったい忘れていただきたくないのは、ご挨拶の言葉です。
「ご冥福」「お成仏」「ご供養」などは仏教用語ですので、使ってはいけません。「おみたまのご平安をお祈りいたします」などの言葉をおかけになればいいと思います。