今回は、葬儀後に「香典返し」を贈る際のマナーについて見ていきます。本連載は、行政書士の廣末志野氏、特定社会保険労務士の田口乙代氏、税理士の佐伯茂樹氏の共著、『さあ大変!どうする?身内が亡くなったあとの始末』(北辰堂出版)の中から一部を抜粋し、身内の死亡時に何をすればいいのか、具体的な対応策をご紹介します。

香典返しを贈るのは「忌明け後」

■香典返しは?

 

1.香典返しはいつ行ったらよいか

香典返しは四十九日(七七日)の忌明け後に行うのが一般的です。忌明けの法要を行うまでは、喪中だからです。

 

キリスト教では本来香典返しの習慣がないのですが、三十日祭の召天記念日後ということで、お贈りすることが多いようです。

 

神道では、忌明けにあたるのが五十日祭です。

 

2.香典返しの金額の目安

一般的には「半返し」といって、いただいた額の半分くらいを目安にする方が一般的です。お茶や海苔などを選ばれることが多いようですが、タオル、シーツ、毛布や器類もよく利用されるようです。贈られた人が好きな品物を選べるギフトカタログも人気があるといわれています。

香典返しをもらった場合の返事は不要

3.挨拶状と表書き

会葬に対する御礼、忌が明けたことなどを薄墨の挨拶状にしたため、一重の封筒に入れて、香典返しの品に添えます。

 

封筒の表書きは、「志」が一般的でこれなら、神道でもキリスト教でも使えます。仏式では「忌明志」「粗供養」など、あるいは「満中陰志」などの言葉も使われます。

 

神式では「偲草」、カトリックでは「昇天記念」、プロテスタントでは「召天記念」などの言葉も用いられます。

 

4.香典返しには返事をしないのが一般

香典返しをもらった場合、返事を出さないものとされています。「不祝儀がくりかえされることを避ける」という意味からといわれています。

 

しかし、遺族をなぐさめるという意味では、お礼状でなく、お見舞いを申し上げるというかたちで出されるのはいいと思います。

本連載は、2016年10月15日刊行の書籍『さあ大変!どうする?身内が亡くなったあとの始末』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

さあ大変!どうする? 身内が亡くなったあとの始末

さあ大変!どうする? 身内が亡くなったあとの始末

廣末 志野,田口 乙代,佐伯 茂樹

北辰堂出版

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