前回は、広さ、形、地盤など、土地の価格形成に影響する各要素について説明しました。今回は、土地の価格形成に影響する「社会的な要因」について見ていきます。

人口増減等とも連動している「土地の相場」

【前回の続きです】

●土地価格に影響する社会的な要因

土地の価格は一定ではなく社会的な要因に影響されて大きく変動します。バブル期の高騰は象徴的な例ですが、土地の相場は社会の流れと連動して常に上下しているのです。

 

○人口の増減

人口の増減はそのまま土地需要の増減につながります。日本全体の人口の増減はもちろんですが、地域ごとの人口動向もその地域における土地相場の変動要因となります。大企業誘致など地域振興に成功した街では人口が増えて地価が上昇する一方、過疎化が進む地域では地価は下降傾向になります。

オリンピック招致で全国に広がった土地価格の上昇傾向

○金利の動向

日本銀行は主に金利の上げ下げを行うことで、経済の舵取りを行っています。過熱気味になれば金利を上げてクールダウンし、落ち込みが意識されるようになれば金利を下げて市場に流れるお金の量を増やすのです。

 

土地相場も金利の動向に大きく影響されます。一般に土地の取引は金融機関から融資を受けて行われるため、金利が高くなれば停滞し価格が下落します。逆に金利が低くなれば金融機関から積極的に借入をして不動産を購入する企業や個人が増えるため、不動産の需要が増し相場は上昇します。

 

○行政的な措置

オリンピックの招致により東京都の土地が値上がりし、全国的にその効果が波及すると言われています。競技場や選手村が集中する湾岸エリアの地価の上昇をきっかけに、お祭りムードも手伝って期待が膨らんだことから、土地価格の上昇傾向が全国的に広がったのです。

 

オリンピック招致は象徴的な例ですが、その他にも大型施設の建設や特区の設定、税制の改正など、さまざまな行政措置により変動することがあります。

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