目玉焼き一つ満足に焼けなかったが…専業主婦・母に先立たれた「遺族年金ゼロの74歳父」、1年半後に南米駐在から帰国した息子が目にした「脱帽の生活力」【FPが解説】

目玉焼き一つ満足に焼けなかったが…専業主婦・母に先立たれた「遺族年金ゼロの74歳父」、1年半後に南米駐在から帰国した息子が目にした「脱帽の生活力」【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

熟年夫婦では、お互いありきで生活が完成しているというケースも多いでしょう。しかし高齢化が加速する日本では、配偶者に先立たれるリスクが高まっています。2人で成り立っていた生活が突如1人きりになってしまったら……。本記事では、徹さん(仮名)の事例とともに、現代日本の高齢者が直面する経済・生活課題について、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナー・波多勇気氏が解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

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母に先立たれ、年金収入も激減家事未経験の74歳父

「お父さん、一人で本当にやっていけるのか?」

 

母の死後、74歳の父を残して再び海外赴任に向かう息子の直樹さん(仮名)は不安を抱えていました。

 

母は専業主婦で国民年金のみ。夫婦の年金収入は月17万円ほどでしたが、母が亡くなったことによる遺族年金の支給はなく、父の収入は月12万円に激減。これまで家のことの一切は母が担っていたため、一人暮らしになった父は家事未経験、生活力ゼロの状態です。直樹さんの赴任先は南米。そう簡単には帰国することができません。父は果たしてどうやって生きていくのか……。直樹さんは心配になりました。

 

ところが、数年後に帰国した直樹が目にしたのは、まさかの父の姿です。

電子レンジの使い方すらわからず、冷めた飯を頬張る父

父・徹さん(仮名)は、会社員として40年以上勤め、定年後は年金生活を送っていました。ところが、家事はすべて専業主婦だった母に任せきりで、料理や掃除、洗濯などの経験はほとんどありません。母が元気なころはそれでも問題ありませんでしたが、心筋梗塞で亡くなったあと、徹さんは自分の生活をすべて自分でこなさなければならなくなりました。

 

「なにをどうすればいいのか、まったくわからない」

 

母の死後、徹さんは食事も満足に取れず、コンビニ弁当やインスタント食品で済ませていました。当初は電子レンジの使い方もわからず、冷たいまま食べることも……。家の中は次第に散らかり放題。洗濯物も高々と積みあがっていきます。

 

経済的にも状況は一変しました。

 

母が存命中の年金収入は、徹さんの厚生年金月12万円、母の国民年金月5万円の合計17万円でした。しかし、母の年金は専業主婦としての国民年金のみであり、遺族厚生年金の対象外です。母の死後は徹さんの厚生年金12万円のみになってしまいました。固定資産税や光熱費を引けば、自由に使えるお金はほとんど残りません。

 

「年金だけで生活できると思っていたが、こんなに厳しいとは」

 

徹さんは、妻が工夫して家計をやりくりしてくれていたかを痛感しました。

 

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次ページ1年半後の父の驚愕の生活ぶり

※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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