(※写真はイメージです/PIXTA)

高収入・資産豊富な夫との離婚。相手が有責であれば慰謝料を受け取り、財産分与で資産は半分に。離婚後も経済的には困らなそうですが、思いどおりにいかなったというケースも少なくないようで……。本記事では佐伯夫妻(仮名)の事例とともに、離婚における財産分与に隠れた落とし穴について、波多FP事務所の代表ファイナンシャルプランナー・波多勇気氏が解説します。※プライバシー保護の観点から、相談者の個人情報および相談内容を一部変更しています。

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白金タワマンに住むサレ妻の離婚シナリオ

「夫の不倫が発覚したとき、むしろラッキーだと思いました」

 

そう語るのは、42歳の専業主婦・佐伯真紀さん(仮名)。44歳の夫・直樹さん(仮名)は大学病院に勤務する外科医で、年収は約2,200万円。結婚15年目の夫婦で、名門私立小学校に通う2人の子どもがいます。

 

数年前に購入した白金のタワーマンションは、価格1億8,000万円。現在のローン残債は約1億円あり、ローン名義は夫単独です。

 

「医者の妻として、一生お金に困らず暮らすはずだったのに、不倫なんてふざけてる。でもこれは、ケチな夫と別れて私が有利に離婚を進める絶好のチャンスにすればいいのよ」そう考えることにしたそうです。

 

真紀さんはすぐに弁護士に相談。慰謝料と財産分与でタワマンを手に入れ、養育費もがっちり確保。優雅なシングルライフを送る計画を立てました。しかし、弁護士の説明は少々冷ややかなもの。

 

「財産分与の対象にはなりますが、住宅ローンがあるので、そのまま取得するのは難しいですね」

 

「でも、夫が支払い続ければいいだけですよね? だって、彼が不倫したんだし」

 

「それは相手が合意すればの話です。ただ、住宅ローンは契約上、金融機関が認めない限り、名義変更はできません。夫が支払いを続けるとしたら、夫の名義のまま住むことになりますが……その場合、固定資産税も夫が負担することになります。果たして、それをお相手が受け入れるでしょうか?」

 

「大丈夫ですよ。夫には罪悪感があるはずだから」

 

弁護士の説明に耳を貸さず、自分にとって都合のいい未来を信じていた真紀さん。しかし、調停が進むにつれて、思わぬ展開が待っていました。

 

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※プライバシーのため、実際の事例内容を一部改変しています。

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