前回は、売主が「不動産仲介業者」に会うときの注意点について見ていきました。今回は、不動産の高値売却に欠かせない「多数の買手候補」との面談について説明します。

「面談」に長い時間をかける必要はないが…

高値売却を希望する人にとって、最大のカギとなるのは「できるだけたくさんの人と会うこと」です。不動産仲介事業者を選ぶときもそうですが、買手候補を選ぶ際にも時間の許す限りの人数と面談して話を聞きます。

 

伝えるべき事柄は不動産の概要だけなので、長い時間をかける必要はありません。面談時間が長くなると、ついムダ話をして情報を漏らしてしまうこともあるため、むしろ短めに切り上げるようにします。

 

1人あたりほんの10分程度でいいので、たとえば空き時間が1時間あるなら、1人とじっくり話すのではなく6人と話すべきです。次々に別の人とのアポイントを入れておけば、無理にでも短く切り上げられるという利点も生まれます。

 

買主候補と会う際にはさらに、できるだけ多様な業界の人と面談するよう心がけます。私は自分の不動産を売却する際、約300社の買主候補と面談をしました。高値売却を真剣に目指すなら、最低でも仲介事業者の他、建売業者、ハウスメーカー、金融機関、コンビニやドラッグストア、スーパーなどの商業系という5つのカテゴリからそれぞれ地元のトップ3を選んで面談することが必要です。

「情報漏洩のリスク」には常に注意を

買主候補や不動産仲介事業者と面談するときは、自宅や会社に呼ぶのは避けるべきです。家族や従業員には売却契約が決まるまで廃業について知られないのがベストなので、彼らの目がある場所に不動産売却の関係者を出入りさせるのは好ましくありません。

 

また、買主候補が従業員や家族と接触することで情報漏洩のリスクも発生します。リスク管理という面からも、経営者の状況を詳しく知る人たちと買主候補が接近することは避けねばなりません。

 

おすすめは自宅や会社の近所にある喫茶店です。不動産売却は経営者が新たに手がける一つの事業なので、もともとの仕事場や家庭とは切り離された場所で「営業」するのが適切と言えます。

本連載は、2016年8月16日刊行の書籍『経営者のための事業用不動産「超高値」売却術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

経営者のための 事業用不動産「超高値」売却術

大澤 義幸

幻冬舎メディアコンサルティング

事業が悪化し経営苦に陥った中小企業経営者の切り札「不動産売却」。できるだけ高値で売却して多額の負債を返済したいと考えながらも、実際は買手の〝言い値″で手放せざるを得ないケースが多い。しかし、売れないと思っていた…

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