「親しみを感じさせたい」で失敗する人たち
ビジネスでの人間関係には一定の節度が必要ですが、距離がありすぎてはよりよい関係は築きにくいでしょう。その点で「親和性」つまり友好的でうちとけた雰囲気を醸し出すことも大切です。親和性はお互いへの関心や思いやりの感情を強める働きをし、それが信頼につながりやすくなります。しかし、親しみを感じてもらおうとするあまり、勘違いした行動になると逆効果になりかねません。あなたは大丈夫ですか?
勘違いした行動をとる人は、信頼を得やすい親和性と信頼を失う馴れ馴れしさや無礼な態度とをはきちがえている可能性があります。
心理学的に、人には侵されたくない物理的・精神的領域があり、そこに他者が不用意に踏み込むと不快や不安、警戒心を本能で感じるとされています。これは「パーソナルスペース」と呼ばれ、人との適度な距離感とはこれに配慮することなのです。
パーソナルスペースは人同士の親しさで変わります。ですから、ごく親しい間柄なら、多少の馴れ馴れしさや無礼な態度もまた親愛の表現になり得ます。しかし、通常のビジネス関係ではまず歓迎されません。
信頼を得やすい親和性を醸し出したいと思うなら、相手に対してなごやかで誠実な態度を示し、ことさらに距離感を意識しなくてもいいくらいの安心感を持ってもらうことを考えることです。それには相手を緊張させすぎず、一方で適切な敬意を感じさせる態度が重要です。
よく見る「馴れ馴れしい」または「無礼」と思われがちな勘違い行動は、相手の側に近づきすぎたり、肩や腕にさわったり、友達のようにタメ口で話したりすることです。いきなりのプライベートな質問も精神的領域を侵す行為です。
やっている本人はフレンドリーでいるつもりでも、相手からすると不快を感じて無意識に警戒や反発を覚える可能性が高いのです。この点、外部の人に対してだけでなく、内部の人に対しても気をつけないと、自分でも気づかないうちに信頼が失われてしまいます。
信頼を得る親和性と信頼を失う馴れ馴れしさを勘違いしない
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