会社の視点からの「退職金の適正額」
役員退職金を受け取るにあたっては、当然ながら、会社からの目線を持つことが不可欠です。つまり、会社が社長のほしい金額を拠出できるだけの財務状態にあるか、という視点を欠かすわけにはいきません。
役員退職金を支払ったことで、会社の財政状態が揺らいでしまっては、本末転倒です。株主総会や取締役会での決議の前に、社長がほしい金額と会社が支払える金額の両面から、決めていく必要があるのです。
退職金を何のために使うのか、いくら必要なのか、その原資は会社にあるか、ない場合はどのように準備するのかを考えましょう。
たとえば、
・退職後に自身がやりたいことを行うのに必要なお金はいくら?
・退職後に一生涯受け取れる老齢年金以外に必要な生活資金は、月額いくら?
・遺族の相続税納税資金の準備として、いくら必要か?
・後継者以外の相続人への遺産分割資金として、いくら必要か?
・会社や自身の経営理念、想いを後継者に託し、会社を発展させるには、内部留保としていくら会社に残しておきたいか?
といった計算から、本当に必要な役員退職金額が見えてくるのです。
清野 宏之
税理士・行政書士、清野宏之税理士事務所所長
萩原 京二
社会保険労務士、働き方デザインの学校校長、一般社団法人パーソナル雇用普及協会代表理事
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