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相続と聞くと、まず「税金対策」が思い浮かぶ方も多いでしょう。しかし実際の相続トラブルの多くは、“気持ちのすれ違い”から始まります。認知症になる前に遺言書を準備するなど、家族が揉めないための基本的な備えが大切です。本連載では、税理士・行政書士の清野宏之氏と社会保険労務士の萩原京二氏の共著『社長の資産を増やす本』(星野書房)から、相続対策の基本を抜粋・編集してお届けします。

相続が「争族」にならないために

相続については、よく相続税の軽減対策が重要視されますが、もっとも大切なのは、家族が揉めないことではないでしょうか。

 

添付の図に「相続対策の優先順位」を記載しましたが、相続の基本は遺言書や生前贈与、生命保険などを活用し、誰にいくら残すのかをきちんと自分で決めることです。

 

とくに認知症になると、遺言や生前贈与、生命保険契約などの法律行為ができなくなるため、さまざまな対策は元気なうちに行っておかなければなりません。

お墓、親の介護……「感情」が絡む相続トラブルに注意

相続におけるトラブルで多いのは、離婚した妻との間に子どもがいた場合や子どもがいない夫婦の場合、そして子どもの配偶者が口を出してくる場合です。このようなケースも、遺言書があれば解決しやすくなりますが、なければトラブルが起こることも増えます。

 

お墓や仏壇、亡くなるまでの親の世話が絡み、取り分をめぐって感情的なことで問題になるケースも少なくありません。

 

相続税の対策をする人は多いのですが、揉めないために遺言書を作成することをないがしろにしていることが多いので、手遅れにならないうちに遺言書をつくりましょう。
 

相続対策の優先順位

自筆証書遺言と遺書は違う

遺言書の主な形式には、公証役場で2名の証人とともに作成する「公正証書遺言」と自ら書き上げる「自筆証書遺言」があります。

 

どちらも法律的に有効なのですが、とくに自筆証書遺言の場合、トラブルが起こりがちです。

 

自筆証書遺言で少なくないのは、いざ亡くなったときに机のなかを整理していたところ、自筆証書遺言が出てきたケースです。

 

また、「こんなものを書いたのだけれど……」と見せたところ、家族から拒否されることも……。

 

遺言書を書こうと思った背景には、一大決心があったはずですが、基本的に遺言書は、残した家族にしあわせになってもらうために書くものではないでしょうか。せっかく大きな決意をして書いたものですから、せっかくなら遺言者によって家族がしあわせになってほしいですよね。

 

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家族によっては自筆証書遺言が重荷になることも

社長として長年がんばって、相応の資産をつくることができたとします。ただ、これは社長ひとりのおかげではなく、家族のサポートがなければ難しかったかもしれません。

 

たとえば、奥様がずっと傍らで一緒にがんばってくれたのであれば、住む家と亡くなるまで十分に暮らせるだけの預金を奥様に残すべきです。

 

また、経営の手助けをしてくれたご長男に事業を継ぐ意思があるのなら、経営権を握るために必要な株式を全部ご長男に渡すことに何の異論もないはずです。

 

ただ、本人に事業を継ぐ気がないのに、「長男なんだから、お前がやれよ」と一方的に株式を渡そうとしても、すでにほかの会社でそれなりの役職についていて、将来を嘱望されているのなら、納得してもらえないでしょう。

 

「それなら、妻を社長に……」と考えて奥様へすべての株式を残そうとしても、「いい歳になって、社長なんかやりたくない」と言われてしまう可能性が高いのです。  

 

このように家族のことをきちんと見ていない場合、いくら遺言で財産分けをしようとしても、拒否されてしまうので、注意が必要です。家族会議を行って相続についてのコンセンサスをとってから、遺言書をつくるほうがいいでしょう。

 

また、最近は家族会議の経験がない人も増えているので、弁護士などの専門家に相談することもおすすめです。

“先に知らせてくれていたら”お互いの意思が確認できる

父親が亡くなって、書類を整理していたところ、遺言書が見つかったとします。でも、その中身が家族の意思とは異なり、思っていたことが好き放題に書かれていたとしたら、それを読んだ家族は「どうして相談してくれなかったんだ……」という気持ちになりますよね。

 

生前に「会社を頼む!」と伝えていれば、何かしらの意思表示があったはずです。なのに、なぜ家族に相談しないのでしょうか?

 

言っても断られるかもしれない……と思ったのでしょうか。

 

遺言書に書かれていることを家族が受け入れられないのなら、自分たちで遺産分割をするしかありません。つまり、全員で遺産分割協議を行うこととなります。それは、悲しいことですよね。

 

ですから、遺言書を書く際には、拒否されることも覚悟して、家族の意思を確認しておくべきです。

 

 

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清野 宏之

税理士・行政書士、清野宏之税理士事務所所長

萩原 京二

社会保険労務士、働き方デザインの学校校長、一般社団法人パーソナル雇用普及協会代表理事

 

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