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数字・データの理解度を上げる
数字やデータというのは、とても難しいものです。数字自体は変わらなくても、その数字の解釈は、比較対象やグラフの見方によって変わってきます。
例えば、「身長180cm」と聞いたら、みなさんは「高い」と感じますか? 「低い」と感じますか? おそらく多くの日本人からしたら「高い」と感じると思いますが、アメリカのフットボールチームに行ったら180cmでも身長が「低い」方かもしれません。同じように、「身長150cm」と聞いたら、パッと聞くと「低い」イメージですが、日本の10歳の男の子なのであれば150cmでも身長が「高い」方かもしれませんよね。
また、「過去との比較」をすると、180cmにも別の解釈が生まれます。例えば、180cmの人が3年前には160cmだった、と言われたら、どうでしょう? 「160cmの人が、3年で180cmになった」という変化を聞くと、「180cmってことは、すごく身長が高くなったんだな」と感じられますよね。変化する前の数字があると、その数字に違った意味合いが出てくるわけです。
英語では、楽観的なことを「glasshalffull」、悲観的なことを「glasshalfempty」と言います。これは、とある心理学の実験がもとになっているものです。グラスの中に、水を半分入れて、これを被験者に見せて、「グラスの中の水を、あなたは『半分も』入っていると思いますか? それとも『半分しか』入っていないと思いますか?」という質問をしたのです。
そして、「半分も」と答えた人は普段から楽観的な考えをする人で、「半分しか」と答えた人は悲観的な考えをする人だったのだそうです。半分の水は、ある人にとっては「いっぱいに入っている(full)」のと同じに見えて、ある人にとっては「入っていない(empty)」のと同じに見えるわけですね。
これと同じように、数字自体は変わらなくても、その数字の比較対象をどこに置くのか、どんなグラフでその数字を見るのか、ということによって、解釈は変わっていくわけです。
データの見方や比較検証のやり方は、非常に重要です。数字は噓を吐きませんが、噓吐きは数字を使ってこちらを騙そうとしてきます。情報を、ふわっとしたイメージのまま受け取らないようにするために、しっかりと数字やグラフを見る意識を持っておかなければならないのです。
本記事では、そんなふうに数字やグラフの見方についてみなさんに考えてもらいたいと思っています。
