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長年、会社を支え、経営に尽力してきた社長にとって、退職は単なる区切りではなく、新たな人生へのステップです。その際、老後の安定を支える退職金をどのように考えるべきでしょうか。本連載は、税理士兼行政書士の清野宏之氏と社会保険労務士の萩原京二氏の共著『社長の資産を増やす本』(星野書房)から一部抜粋・編集した内容をお届け。本記事では、社長の退職金に関する日本社会の現状と、適切な退職金を受け取るための具体的な方法について解説します。

社長の退職金は“年数をかけて対策を”

従業員の退職金規定をつくることと役員の退職金規定をつくることは法律的には絶対的な義務ではありませんが、ぜひご自身のためにも一度専門家に相談して検討いただきたいところです。さらに、それぞれの退職金を確実に支払えるように会社の利益を確保するのも、社長として行っていただきたいことです。

 

社長は、「退職金の支払い」というひとつのゴールのために何を行うのか考えなければいけませんが、そもそもそのようなゴール設定をしている社長は決して多くありません。

 

あなたの会社は、ゴール設定がないことで行き当たりばったりの経営になっていませんか? また、「退職するときには、何が何でも1億5,000万円をもらう!」というゴールを設定しても、1億5,000万円の退職金をもらったせいで会社の屋台骨が傾いてしまうようでは、困りますよね。

 

社長の老後を支えるのに十分な額の退職金は、財務が美しくなり、企業価値が上がっていくことで出てくるのです。

 

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もっとも、そこまでの準備は2〜3年でできるものではなく、時間をかけて行う必要があります。たとえば、70歳で役員退職金を受け取ろうと考えるなら、50歳くらいの頃から15〜20年かけて対策を始めなければいけません。

 

1年もしくは3年ほどの経営計画を立てたり、積立金を経費化できる金融商品を使ったりしながら、長い年月のなかで退職金に充当できるお金をしっかりと確保する必要があるのです。

 

 

清野 宏之

税理士・行政書士、清野宏之税理士事務所所長

萩原 京二

社会保険労務士、働き方デザインの学校校長、一般社団法人パーソナル雇用普及協会代表理事

 

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