成長率は24年10月時点の見通しからほぼ変更なし
1月17日、国際通貨基金(IMF)は世界経済見通し(WEO:World Economic Outlook)の改訂版を公表し、内容は以下の通りとなった。
・2024年は前年比3.2%だったと想定され、25年1月時点の見通し(同3.2%)と同じ
・2025年は前年比3.3%となる見通しで、25年1月時点の見通し(同3.2%)から上方修正
・2026年は前年比3.3%となる見通しで、25年1月時点の見通し(同3.3%)と同じ
新政権下で経済政策の不確実性が高まる
IMFは、今回の見通しを「世界成長:まちまち、かつ不確実(Global Growth: Divergent and Uncertain)」と題して作成した*。
*同日に「一サイクル終え、乖離広がる中で新たなサイクル始まる(As One Cycle Ends, Another Begins Amid Growing Divergence)」との題名のブログも公表している。
IMFは25年・26年の成長率見通しについて、全体では概ね24年10月時点から変更がなかった。なお、世界成長率見通し(3.3%)はコロナ禍後の潜在成長率とほぼ一致するとしている。ただし、ベースラインの見通しは公表時点の政策を前提としており、特にトランプ政権後に実施・変更されるだろう政策について織り込まれていない点には留意が必要と言える(たとえば、ベースラインシナリオでは貿易量の推計値が小幅に下方修正されているが、一過性のものとされている)。
成長率見通しを地域別に見ると、主に米国の上方修正が他の主要国の下方修正と相殺される結果となっている。
まず、先進国と新興国・途上国の成長率見通しは(前掲図表2、図表3)、ともに大きな修正はなされなかった(先進国:25年1.8→1.9%、26年1.8→1.8%、新興国・途上国:25年4.2→4.2%、26年4.2→4.3%)。


