「カリフォルニア州」は税務調査が厳しい!「住んでいなくても」税金が取られる…大谷翔平の大型契約の裏であったコト

「カリフォルニア州」は税務調査が厳しい!「住んでいなくても」税金が取られる…大谷翔平の大型契約の裏であったコト
(画像はイメージです/PIXTA)

カリフォルニア税務当局はFranchise Tax Board(FTB)と呼ばれ、州を出ていく納税者には厳しいことで有名です。その追跡の手は非常にしつこく、投資持分売却の10年後であっても税務調査をすることがあります。本稿では現在、カリフォルニア州にオフィスを構える国際税務のプロフェッショナルがカリフォルニア税務当局の実態を解説します。

住んでなくても取りに来る「カリフォルニア州税務当局」

カリフォルニア税務当局はFranchise Tax Board(FTB)と呼ばれ、州を出ていく納税者には厳しいことで有名です。州外に住んでいたとしても、カリフォルニアを源泉とする収入に対しては課税します。アメリカの経済雑誌Forbesによれば最近ではカリフォルニア州に一度も訪問したことがない人にも課税するということです。

 

アメリカでは、株式は無形資産です。無形資産を売却した場合、居住者の州を源泉とする収入とみなされます。どういうことかというと、テキサス居住者がアマゾン株を売却した場合、テキサスには州所得税がないため、連邦税のみ支払うことになります。

 

それでは、カリフォルニア州外の居住者がカリフォルニア州にオフィス等不動産を所有しているLCCやパートナーシップの持ち分を売却したときはどうなるのでしょうか。

 

基本的にはどこに居住していても、カリフォルニア州の不動産を直接保有していれば、売却時にはカリフォルニア州に課税されます。しかし、LLC、S Corp、パートナーシップ等で不動産を所有し、その持ち分を売却することで、アマゾン株の例と同様に、居住する州の州税が適用され、カリフォルニア州税を回避することができました。

「厳しい追跡」も優秀な弁護士となら切る抜けられるはず…

カリフォルニア州外の居住者は長年にわたって、持ち分の売却という形でカリフォルニア州税を回避してきました。ところが、2009年にカリフォルニア州は不動産等を所有する無形資産の売却収入に対しては、売主が所在する源泉収入ではなく、カリフォルニア州の源泉として税務権限が及ぶことを裁判で勝ち取りました。その裁判以降も同様の裁判にカリフォルニア州は勝訴しています。

 

州外に住んでいても、カリフォルニア州での投資持ち分売却に対しては細心の注意が必要です。カリフォルニア州の時効は最後に申告を行った日から4年ですが、カリフォルニア州での申告がまったく行われていない場合には、投資持分売却後10年たってもFTBは税務調査を行うことができるからです。

 

大谷選手は野球一筋で税金に関心がないように思われますが、契約金の支払い方法といい、近くに優秀な税務弁護士がいらっしゃるのだと思います。

 

そうであるならば、うまくカリフォルニア州の追っ手からうまくきり抜けるのではないでしょうか。

 

 

税理士法人奥村会計事務所 代表

奥村眞吾

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