光がないのに目がチカチカ――通常はすぐ元に戻るが・・・
目は、ものの形を見るだけでなく、光を感じたり色を判別する機能を持っています。しかし人によっては、まぶしさを感じやすかったり、色の認識が人と異なったりする場合があります。
「まぶしい」「目がチカチカする」などの原因には、長時間目を酷使したことや、一時的に血圧が下がって脳内の血液量が減ることで起こる「起立性低血圧(脳貧血)」などがあります。これらの場合、しばらくすると元に戻ることが多いので心配はいりません。
しかし、実際には光がないのに、暗い所や目を閉じたときにチカチカした光が見える症状は「光視症」といい、注意が必要です。
これは加齢などによって眼球内の硝子体というゲル状の組織が液状化して眼底の網膜をひっぱり、光が見える症状で、網膜がひっぱられて穴が開いたり(網膜裂孔)、網膜が一緒に剥がれてしまったりする(網膜剥離)ことがあります。
チカチカする光に加え、部分的に視野が欠けたら要注意
また、季節の変わり目など急激な温度変化や、ホルモンバランスの崩れ・ストレスなどで脳の血管が一時的に収縮し、「チカチカ・キラキラする光が見える」「ギザギザ稲妻のような光が見える」と同時に部分的に視野が欠けるといった症状が起こることがあります。これを「閃輝性暗点」といいます。
脳の血流が元に戻り、大量の血液が流れはじめると頭痛(片頭痛)を引き起こすこともあります。まれに脳腫瘍などの可能性もあるので、念のために病院を受診しておくようにしましょう。
ものの見え方が一般的な感覚と異なる色覚異常には、先天性のものと後天性のものとがあります。先天性の場合遺伝的なものなので、現時点では有効な治療法がありませんが、早期の検査で発見することができます。赤と緑、オレンジと黄緑などの色の区別がしづらく感じるようです。
[図表]色の感覚が正常と異なる色覚異常
後天性の場合は、緑内障や網膜の病気などのひとつの症状として、色覚に異常があらわれます。また、加齢によって水晶体が黄色く変色し、青色や緑色など似た色が見分けにくくなる場合もあります。