思ったよりもろかった「言葉の壁」…〈外国人介護人材〉の採用が現場にもたらす大きなメリット

思ったよりもろかった「言葉の壁」…〈外国人介護人材〉の採用が現場にもたらす大きなメリット
(※写真はイメージです/PIXTA)

実際に「外国人介護人材」を受け入れる場合、現場から不安の声が上がることもあるでしょう。職員とのコミュニケーションが上手くいかなかったり、利用者とトラブルになってしまうかも……と、心配事を挙げればキリがありません。では実際のところ、外国人スタッフは現場ではどのように働いているのでしょうか。本記事では、社団医療法人啓愛会の理事長である井筒岳氏の著書『グローバル循環型 外国人介護人材活用』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集して、外国人スタッフを採用するメリットについて、井筒氏の実体験を交えて解説します。

「現場」でこそ実感できる外国人スタッフ採用のメリット

例えば、外国人スタッフを受け入れることで「労働力が確保できる」という項目に対して、外国人を受け入れていない事業所では「確保できる」と回答したのが約半数にとどまったのに対し、受け入れている事業所では8割以上が「確保できる」と回答しています。

 

ほかにも、「職場に活気がでる(活気がでると思う)」「利用者が喜んでいる(喜ぶと思う)」「業務が軽減される」といった項目で、外国人介護人材を受け入れたことがない事業所よりも、すでに受け入れている事業所のほうが良い評価をしています。

 

また、サーベイリサーチセンターによる調査(2023年)によれば、外国人介護職員との日本語による意思疎通の程度について、「話が伝わりにくいときはあるが、ゆっくり話せばおおむね伝わる」が47.1%、「問題なく伝わる」が40.7%となっており、言葉についても大きな問題がないことが分かります。

 

また、同調査では利用者が外国人介護職員から受ける介護サービスの満足度について、「十分満足している」が43.3%、「おおむね満足している」が44.4%となっています。

 

利用者やその家族が外国人に介護されることに不満を抱くのではないかと事業所側が心配になることもあるかもしれませんが、この結果を見るとそれは杞憂(きゆう)であることが分かります。実際に私の施設でも外国人スタッフは利用者やその家族から大きな抵抗もなく受け入れられていきました。

 

外国人介護人材を活用している事業所では外国人スタッフによるメリットを感じているところが多いのに、いまだに外国人の採用を考えていないという事業所も少なからずあります。

 

もし、人材が十分に足りていて、今後も安定して人材を採用できる見込みがあるのであればそれでも構わないと思います。

 

しかし、すでに人材不足で困っているのなら、事業所の安定的な運営のために外国人介護人材の採用を前向きに検討すべきタイミングが来ているのだと私は考えます。

 

次ページ現場で活躍する外国人スタッフたち

※本連載は、井筒岳氏の著書『グローバル循環型 外国人介護人材活用』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋・再編集したものです。

グローバル循環型 外国人介護人材活用

グローバル循環型 外国人介護人材活用

井筒 岳

幻冬舎

世界の人材を日本へ、日本の介護を世界へ―― 日本の介護人材不足を救う外国人人材の育成と 外国の医療介護レベルを向上させる日本の介護ノウハウの伝授で好循環を生み出せ 超高齢社会に突入して久しく、介護を必要とす…

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