現場で活躍する外国人スタッフたち
私の経営する施設では、現在7人の外国人スタッフが働いています。実際にミャンマーから介護人材を受け入れてみると、現場で働きながらスムーズに業務を覚えていき、大きなトラブルもなくなじんでいきました。
明るくハキハキしていて礼儀正しいので、利用者や利用者の家族からの評判もよく、みんなから愛される存在になっています。
ミャンマーは宗教面での慣習の違いがほとんどなかったことも、スムーズに現場になじめる要因の一つだったと考えられます。ミャンマー人の多くは敬虔(けいけん)な仏教徒ですが、服装や食習慣に特別な決まりはありません。
さらには、現世で徳を積むことが大切だという仏教の教えが根付いており、困っているお年寄りに親身になって助ける介護の仕事はミャンマー人にとって人気の職種なのだそうです。
しかも、言葉の仕組みが似ており、日本語の習得がしやすいこともプラスの要因でした。ミャンマー語は日本語と同じように助詞を使って言葉をつないで文をつくりますし、語順も似ています。
文法の習得にかかる負担が少なく、語彙を覚えていくことでどんどん話せるようになっていきます。そのため、日本語をマスターするまでの苦労が比較的少ないのです。
私の施設で受け入れた外国人のなかには、母国の家族の看病が必要になるなどして帰国した人もいますが、日本になじんで在留資格を「技能実習」から在留資格「介護」に切り替えて働き続けている人もいます。
これまでには、実習生の親族が評判を聞いて新たに実習生として入ってくるということもありました。本人が働き続けてくれるだけでなく、身内が新たに働きに来てくれるということは、今の環境が本当に居心地よく、働きやすい証拠なのではないかと思います。
井筒 岳
社団医療法人啓愛会
理事長
