長寿大国日本、65歳で定年するのは普通…ではない?
長寿化が止まらない日本。厚生労働省『令和5年簡易生命表の概況』によれば、日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性87.14歳。90歳まで生きる人も男性で26.0%、女性にいたっては50.1%と半数です。
まだ老後がはっきりと見えていない年代だと、「うちは早死に家系だし、長く生きる予定ないから」などと冗談のように言う人もいますが、長生きをする前提で金銭的な備えをしておかないと、老後の生活費に苦しむことになる可能性があります。
実際、「65歳でようやく定年、ゆっくりできる」などと悠長に構えていられず、多くの人が70歳を超えても働いています。総務省「労働力調査」で2022年時点での年齢階級別就業率を見ると、70~74歳で働いている人は33.5%、75歳以上でも11.0%となっています。
ただ、金銭的な理由だけで働いているのか? といえば、すべての人がそうというわけでもありません。
60歳以上を対象にした内閣府『高齢者の経済生活に関する調査」によると、「収入がほしいから(45.4%)」が1位ではあるものの、「働くのは身体によいから、老化を防ぐから(23.5%)」「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから(21.9%)」「仕事を通じて友人や仲間を得ることができるから(4.4%)」と、前向きな理由も多いのです。
実際、営業本部長としてバリバリ働いてきた中野一也さん(仮名・65歳)がそうでした。現役時代は多くの部下を引き連れ、長年培った顧客との信頼関係もあり、「若い営業マンには負けない」とプライドを持って働いた人生。いよいよ65歳で定年を迎えることになっても、家でゴロゴロするだけの老後はイメージできませんでした。
そんな折、うまい具合に営業先の会社から「定年したらうちに来てほしい、まだまだあなたなら活躍できる!」と誘われ、すぐに承諾。その会社は、規模は小さいながら70代で働いている人も多い会社です。
「認知症になりたくないし、体と頭が動くうちは現役でいたい。声をかけてくれた感謝も込めてバリバリ働くぞ!」
やる気に満ちていた中野さんでしたが、思わぬ「年金の落とし穴」があったのです。
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