晩婚化・出産年齢の上昇で、子どもの教育費負担のピークと夫婦の老後資金を準備すべき時期が重なるケースが増えています。また、年を重ねてやっと授かった我が子のためと、お金を惜しみなく注いだ結果、厳しい家計から老後破綻まっしぐらになるケースも。一例をご紹介します。

平均出産年齢の上昇で増えてきた家計の問題とは

「40代で第一子を出産した」といった話を聞くことも決してめずらしくない現代。実際、昔に比べてどれぐらい出産年齢は上がっているのでしょうか。

 

厚生労働省の人口動態統計で母親の平均出生時年齢(第一子)の推移を見ると、1980年に26.4歳、1990年は27.0歳、2000年は28.0歳と上昇し、2022年には30.9歳となっています。つまり、1980年から2022年の42年間で4.5歳上昇しています。

 

具体的な人数も見てみましょう。2022年の母の年齢別出生数は、20代が25万5,355人。そして30代が圧倒的に多く46万2,844人。さらに40代も4万7,938人となっています。

 

出産年齢上昇の手前には晩婚化があるわけですが、厚生労働省の「少子化要因に関する資料集」を見ると、晩婚化の原因に「独身生活の自由さ」、「女性の経済力の向上」を挙げる意見が男女とも多くなっています。

 

国はこうした少子化の流れに手を打とうと様々な施策を講じていますが、見通しは明るくありません。

 

こうした晩婚化・出産年齢の高齢化が進む中で、子どもの教育費のピークと夫婦の老後資金準備の時期が重なることが増えています。

 

子どもの教育資金としてもっともお金が必要な大学入学(18歳)の付近で、夫は60代となり、年金生活に突入となるようなケースです。

 

もちろん、収入や貯蓄が十分にあったり、家計管理をしっかりしていたりする家庭もあります。一方で、ただでさえ厳しくなりがちな中で「子どものため」とお金をつぎ込んだ結果、大変な事態になることも。年金生活に入ったばかりの三島さん(65歳・仮名)の例がまさにそれです。

 

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