パパ、あのね…?娘からの「衝撃告白」に失神寸前
「パパ、久しぶり……」
久しぶりに会う娘はどこか浮かない表情で、少しふっくらしたように見えます。
なにはともあれ、待ちに待った家族3人そろっての夕食です。
「C、大学生活はどうだ? 次は4年生だもんなあ、インターンには行ったのか?」
Aさんが矢継ぎ早に近況を尋ねますが、Cさんは生返事です。
会話が途絶えたところで、Cさんは意を決したように口を開きました。
「パパ? あのね、怒らないで聞いてほしいんだけど……。実は、子どもができたの」
娘からの突然の告白に衝撃を受け、唖然とするAさん。ただ、頭ごなしに怒鳴ってはいけないと、なんとか笑顔を崩さずに返します。
「……えっ!? ちょ、ちょっと待って、どういうこと。うちの可愛い娘の旦那になる幸せ者は、いったいどこのどいつだ!?」
すると、Cさんは、涙を流しながら次のように言いました。
「SNSでね、趣味のアカウントがあって、すっごく気の合う人がいたの。会ってみたいって言われて会ったら、けっこう年上の男性でびっくりしたんだけど。でも優しいし、何回か会ってたら、そういう感じになって……。でも、まさか妊娠するとは思ってなくて、だけどうれしい気持ちもあったから『妊娠した』ってLINEしたら、そこから連絡が返ってこなくなって……。あたしは付き合ってるって思ってたから、結婚とかまではいかなくても、守ってくれると思ってたんだけど……」
「そんな、ウチの子に限ってまさか……」
ショックで目の前が真っ暗になったAさんは、言葉が出てきません。
するとBさんが、Cさんに「ほら、Cが思ってること、ちゃんとパパに言いなさい」と促しました。
「シングルマザーでも、この子を産んで育てたい」
Cさんはうつむきながらも、はっきりとそう言いました。
まだ21歳のCさんが、たった1人で思い悩んでいたのかと思うと、AさんはCさんが不憫でなりません。3人の長い沈黙が続いたあと、Aさんは娘に自分の部屋で休むように言い、Bさんが付き添っていきました。
Cさんが眠りについたあと、リビングに戻ったBさんに、Aさんは本音をこぼします。
「許せない……どうにかして相手と連絡をとることはできないのか? 責任はとってもらわないと。娘はああ言っているが、どうにか説得しておろしてもらうことはできないだろうか?」
「そうね……。私も初めて聞いたときはめまいがして倒れそうになったわ。でも、あの子がよく考えて出した結論だから、尊重してあげてほしい」
「う~ん、そうか……」
身勝手な行動をとった相手への怒りが止まらず、事実をなかなか受け止められないAさんでした。
